幸せな結婚を求めるのは時代錯誤?“本当は結婚したくないのだ症候群”北条かや

結婚、したい?

その答えは「はい」「いいえ」ではなく「そのうち」という時代。

仕事、趣味、居場所に関しても多種多様な価値観が産まれる中、25歳を過ぎたあたりからいきなり固定概念をおしつけられる。

「結婚しないの?」

未婚アラサー体験者としては、

さかもと
社会人やし面白おかしくやんわり受け流すけど、ほっとけや!
できたらしちゅうわ!

という案件です。

自分も仕事が楽しかったり、この人と結婚するんかなとか、そもそも結婚できるんかなとか、みんなどうやってプロポーズされたん?とか思って悩んできたけどずーっとその答えがでなかったので、この本を手に取りました。

目次

少し前の結婚モデルは今も私たちを幸せにするか

<あらすじ>
独身の8割は「結婚したい」らしい。でも、結婚したいと言いながら本格的な婚活はせず、参加するのは女子会ばかり、という人も実際はとても多い。「イマドキの女心」は一体、どうなっているのか? アラサー独身女性のかかえる複雑な「結婚したい」という声を、白書やインタビューなどをもとに紐解いていくと、1つのホンネが見えてきた。29歳の著者による当事者目線の社会学。

感想:★★★★

序盤のほうはタラレバ娘を引き合いに出したアラサーの一般論、そしてアラサー未婚のぶちゃけトーク、そして未婚率の数値やデータなどから未婚の女性の結婚願望についてひも解いていきます。

ここまでは割と「うんそうそう、そうなる」って自分でも見える範囲の「結婚とアラサー」の話しだったんですが、後半の時代ごとのエッセイストや作家の作風を紹介しながら、

「時代が変わるのに、古い価値観捨てきれてないから辛い!」

みたいな内容紹介に、そういうのを肌で感じてきた私としてもすごく納得してしまった。

時代ごとの作家が作ってきたブームと価値観

そうか、こういう答えはデータよりも感情の見える小説やエッセイ、漫画にあったんや。

林真理子のエッセイや、負け犬の遠吠え書いた酒井順子らの辛辣で生々しい切り口が女性の意識を変えて時代を作ってきたのか…。

OLのキラキラしたキャリアウーマン時代、そしてその後のアラサーとして仕事か家庭科で悩んで働く女、家庭に入る女に溝ができてくる。

充実しているのに、家庭に入る女性にマウンティングされている気持ちになったり、結婚に関して悩むのはこの頃からか。

世間で話題になって賛否両論巻き起こすとかそんな感じ。

今はSNSではあちゅうさんみたいに炎上するのが主流やけど。

だから、結婚や未婚に関する具体的な数値見てもなんとなく納得できなかった。

これはデータじゃなくて感情の上にある結果ながやって。

女らしい。

そんな感じで130ページくらいから面白くてぐいぐい引き込まれて読んでしまいました。

神田川世代から恋愛結婚がブームに

1970年代の神田川が流行る頃は同棲(婚前交渉)もありになってきて自由恋愛が始まってきた頃で、徐々に恋愛結婚が主流になっていきます。

確かに、おばあちゃんらはお見合いやけど親世代は恋愛結婚多い気がする。(うちはお見合いやけど)

経済成長に合わせて「子供をたくさん産みなさい」「奥さんこどもと夢のマイホーム」!などと国の挙げるスローガンににも似た広告戦略で時代がつくられていきます。

この頃の結婚の価値観を結構引きずってるんですよね、今も。

80年代には大学のレジャーランド化が進み、男女交際の場が無限に広がっていくことにより、「もっといい人がいるのでは」と期待が膨らみ、これくらいから初婚年齢があがりはじめます。

働く女性が増え、独身OLかっこいい~という風がふいてきて、バリバリのキャリアウーマンがもてはやされ、働く女性が増え、家庭的な面と社会的な面を持つ女性が増えてきます。

家庭科では男性も同じ授業を受ける時代になり、彼らが成人するころ、イクメンという言葉ができたり家事は分担という考え方が一般的になってきます。

当初の男性が支える女性を幸せにする男性軸の結婚観が、女性が働きだした社会になっても消えないっていうのはまるで結婚の呪いやなと思いました。

そら、男性はメリット感じ辛くなるわ。

女性も、そんなもの探してもなかなかないわ。

恋愛相手と結婚相手の混合

80年代以降、「恋愛結婚」が当たり前になる一方で、結婚前の「自由恋愛」も普通になった。恋愛と結婚は、理想としては(恋愛結婚として)一体化しているが、現実的には分離している。
だからこそ今、多くの独身女性たちは「恋愛はしているけど、どうすれば“本当の理想の相手”と結婚できるの?」と悩んでいるのだ。
P133

恋愛ってスパイスあってなんぼのもの。

だから恋愛体質の人は結婚後も不倫とかの恋愛ゲームにハマる。

余力あってすごいなぁと思うけど…

今の自分から、よりよい自分に生まれ変わるなら結婚したい。そうでないなら、別に結婚しなくてもいい。

中略

好きな相手と結ばれて結婚して、暖かな家庭を築くというロールモデルが100年にわたって強化され続けてきた以上、その呪縛から逃れるのはとても難しそうだ。

「恋愛、結婚、幸せな家庭と子ども」という、すべてが揃った幸福を目指して結婚を考えていると、そのハードルはどんどん高くなっていく。理想は急には下げられない。だからちょっぴり、息苦しい。

P134・135

そう!

結婚のことを考えると、なぜか息苦しくなる!

結婚って世間が考えるビジョンと、自分が現代で描くのが難しい結婚生活と、そして理想。

全部が揃わんと難しいなんて、そりゃ難しい。

勢いでもないと、なかなか結婚できん。

結婚を急ぐ人も急がない人も、「相手次第では…」と思っている。「あなたに合わせたら、幸せになれる」と思えない結婚(相手)に、魅力はないのだ。

P192

ズバリ、これですよね。

メリット感じんのに(直感で)選ばないかんもんとして周りにせかされる。

だからしんどい。

自分がまちがっちゅうがかなと思うてしまう。そうじゃないんやけど…

精度が今の時代に会ってないっていうのは結婚しても、思う。

結婚は、飾りみたいなもん。

 

彼女たちは心の奥底で、今の結婚制度が「自分にとってフィットしない」と直感している。

P203、204

面白かったです。

悶々としている方は手に取ってみてください。

「結婚するしない」で悩まなくてよくなるかも。少し心が軽くなる一冊でした。
 

【合わせてどうぞ】

https://sakamotodappantyu.com/archives/mari.html

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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