いじめ撲滅プログラムの感想(作画:ピエール手塚 原作:藤見登吏央)

全部買ってるピエール手塚先生の作画に惹かれて購入。

幼少期にジャンプで見て衝撃を受けたリアルいじめマンガ「元気やでっ」土屋 守 (著), 次原 隆二 (著), 山本 純二 (イラスト)をうっすら思い出しました。

いじめって、周りにあるけど「どうしようもなもの」だと当時思っていたのが、漫画でしっかり「悪」として描写されていたのが衝撃的で、

ページをめくる度に人間の嫌な部分がべっとり張り付くような感覚があったり、鋭利なナイフで傷をつけられたような気持になったりすごく印象に残っています。

令和に出された「いじめ漫画」どうかなー

目次

ドラえもんができるのもそう遠くないのかなと考えてしまった一冊

<あらすじ>
近年さらに増え続ける学校での悪質ないじめに対抗すべく、いじめ撲滅企業“アイムファイン”は監視カメラがいじめを検知すると自動的に加害者を処罰してくれるロボット「いじめリアクター」を開発し!?いじめ根絶コミック!

ドラえもんや鉄腕アトムなどで学んできた、機械と人間の「感情や倫理観」を排除した正しい世界に想いを馳せながら読みました。

今読んで、監視カメラやドローン、顔認証ができる時代なので、ちょっとSFよりはリアルな感じ。

人を統制して扱いやすくすることを推奨する一方で「自分だけは助かりたい」という、導入者の人格とかも、現代の政治家とかっぽくて今っぽいな~と思いました。

エンタメとして、最後まで楽しめる作品。

でも、こういう作品って、読んでおわりじゃないんですよね。

自分の人生への問いにもなるというか。

子どもがいじめられたらどうしよう、子どもがいじめをしたらどうしよう。

なんて、話そう。

そんな考えが浮かびました。

いじめは悪。

なくならない。

息子がちょっとした意地悪をされただけでも、こちらは復讐心とか憎悪が簡単に生まれるし。

でも、その中で、自分や子どもはどうするか。

それを改めて考えさせられました。

悪を、なんて言葉で伝えるか。

やり返したところで、罰したところで、解決はしないし、なくならない。

どう、落としどころをつけて飲み込むか。

そうして、自分や子どもはどう生きるか。

他人と嫌な関わり方をしてしまった時、自分や自分たち家族の人生が脅かされたとき、どう守り、どう乗り越えていくか。

そもそも乗り越えられるのか。

どれだけ「話し合える家族」の土壌を作っても、コンプレックスとか、人格否定をされたら個人としてダメージを負うし、傷ついたときに、そばにいてあげられるとも限らない(大学生や社会人、バイト先でのいじめもあるから)。

我々は、どうしたらいじめず、いじめられない、いじめられても区切りをつけて人生をリスタートしていけるか。

読後、考えが止まらなくなる漫画でした。

エンタメとしてもおもしろいし、いじめられた人や、いじめをしてきた人、万人におすすめです。

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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