男の強さと弱さにぐっとくる。男が羽化する瞬間「1R1分34秒」町屋良平

自称読書家なので、やはり芥川賞は押さえておきたいなと思っています。

でも、本書はみるからに癖がなさそう。

ホントに芥川賞なのかな、どこに見ごたえがあるのかなと思って軽い気持ちで読み始めました。

いやもうまじで、よかった。

さすが芥川賞受賞作でした。

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ボクサーやボディビルディング、ジム通いしてるストイック系の彼氏を持つ彼女におすすめ!

減量の方法とか、自分の律し方とか、そういうのが知らない世界過ぎて新鮮でした。

カラダと向き合う男のことがよく分かる一冊です。

好きな人や、彼氏が肉体的にストイックな人におすすめ。

迷いと弱さと、曇天のこれから

デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。
考えすぎてばかりいる21歳のプロボクサーのぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。

感想:★★★★★

人が腐ってくときって、こんな感じだよなーと思って読みすすめていました。

トレーナーがウメキチになってから、グイッとキャラが変わってきた。

自分と向き合うことからほわっと逃げだしそうになりながら漂ってた主人公が、軸を取り戻していく後半はもう、ほんとぐっときた。

私が大好きだったのは、100P前後。

明日にはわかれてというだろう。
ぼくはダルいからだをモゾモゾと起こして、背中をむいて眠りかけていた彼女に抱きついた。ありがとうのきもち。素直に、ヤらせてくれてありがとうのきもち。
「どしたー」
といって、あたまを撫でてくれる
「こわい」
吐露した恐怖に、それほどの切迫が伴っているわけではなかった。ただ今はボクサーのステレオタイプでいたかった。

P99

弱くて、でも、やめられなくて、ぐずぐずしている男が、スゥッと弱音を吐く場面。

そして、行為も、伝え方も最悪で絶対伝わらん優しさを持って女を切るところが最高にぐっときた。

むしろ、惚れた。

ああ、もう、心君すきやって思った笑

男の、こういう強さとか弱さとかが混ざった実は優しい決断って、女がわからんぶん、すごく尊い。

もうただただ切なくなった。

しかもそこから浮上のペースがよくなってくる。

絶望に向かうんじゃなく、腐りかけてから、底辺にタッチして登っていくさまは、スポコン。

王道なのに、やっぱりかっこいいし、気持ちいい。

いつも言葉で人を切り捨てる仕事をしてる分、こうやって浮上の物語を読むと救われるしやっぱり嫉妬する。

いい物語に会ったなー。

久々に本を読んでスッキリした。

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1986年高知生まれの五黄の寅年、一児の母。 転勤族の妻で今は佐渡島のターン。
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