私の神様の一人、舞城王太郎。
嗜好品のひとつで、ずっと取っておきたい洋酒の様に、購入からずっと本棚に置いてあったものを、一人旅の友にしました。
小説家の、代表作発表前の詩。
寝かしたブランデーの様な最高の一冊でした
<概要>
2001年『煙か土か食い物』で鮮烈デビュー。
……その5年前、1996年に舞城王太郎名義で執筆した未発表詩を、
26年の時を経て第一詩集として刊行しました。
★★★★★
こんなに瑞々しくて、生々しくて、危うくて、ドキドキできるものがあるだろうかと思いながらゆっくり読みました。
個人的に★5ですが、舞城王太郎に心酔している人向けかなと。
オタクにとっては、最高って感じの一冊です。
初版は直筆サインもあり、見るたびに心が躍ります。
舞城王太郎の作品は読んでいると心を軸にぶん回されるのが好きなんですが、詩はそういう小説家としての技工を使わないからか芯のなまめかしいところだけが重厚に置かれていてたまりませんでした。
歪んでどうしようもない、でも腐れもしない愛がそこにはぽつんとあって、どうしようもなく輝いていてしんどい。
そんな、若い頃の、恋を神格化していた頃の感情を抉り出されるような一冊でたまりませんでした。
こんなに言葉が少なくても、形作る世界は一緒だし、そこに派手さがない分、味わい深い一冊でした。
私は、ウサギも彼女も好きだし、そういう犠牲は、人生で大人になるために、必要だと思う。
こういう、迷いと弱さの中に、エロも、グロさも、間違いも、狂気もある。
読めてよかった。
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