小学校のころ、漫画がわたしに見せる世界は衝撃的だった。
ピアノ教室に通っていたけど、ピアノが下手で、努力も嫌いだった私は、
ピアノの先生の家にある幽遊白書とぼのぼのと、花のあすか組を繰り返し借りて読んでいた。
そういう思い出のある一冊。
20年以上前に読んでいた漫画の新作が、30歳になって読めるというのは、贅沢だ。
例えるなら…
ちょっと特別で、やさしくていつも変わらない、屋台のカステラ
内容
おかあさんはクジラに乗ってやってきた それは まだボクが生まれていない頃のお話だ おとうさんはおかあさんと出会ったんだ
感想:★★★★★
これは、ぼのぼのファンには気になる一冊。
なんと、ぼのぼののお母さんについて書いてあります。
そういえば、お母さん出てこないのに、不思議におもったことなかったな…
いつもはけっこうシュールさのツボな場面があって、面白くて好きな漫画なんですが、
今回はじーんとくる。
色々考えてしまう一冊です。
わたしは、なんでも割り切ろう割り切ろうとして進むタイプですが、
「死」は割り切れない。
考えても考えても行きつかないので、考えるのを辞めてしまう事柄の一つです。
悲しみの心っていうのは、事実をいくら受け入れようとしても、
利害を考えても、時間がたってもなかなか癒えない。
忘れようとすると、じんわり体の中にとじこもるけど、決してなくなってない厄介な感情です。
そういうのが苦手なので、普段考えないようにしています。
でも今回これを読んで、わたしの中の悲しさや辛さが、ポコポコと顔を出しました。
何度思い出しても、思い返しても浮かんでくるのは後悔。
後悔をしないように、今を生きなければ。
人生は自由だけど、やり直しがきかないし、
会えなくなった人には、もう、会えない。
人を大事にするのは、いろんな人との別れや、
後悔からだなーとぼんやり思いました。
なんとなく、こんな寒い冬の読書におススメです。
特に脈絡ないので、1巻からじゃなくても読めるのでおススメ★
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【さかもとみき】
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18歳で脱藩。京都、金沢、富山高岡からの能登半島住。
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元肉食系広告代理店勤務。旅館ではオールサポートという何でも屋。
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