地震が起きて、テレビで、
「佐渡には津波がすぐきます」
と何度もアナウンスが流れる中、旦那は職場に急いで出かけました。
22時半ごろ起きた地震で出かけ、帰ってきたのは深夜3時。
朝は普段通り7時半に出かけていきました。
事務所待機なのかと思いきや、帰宅時に独特のにおいがしたので、何をしてたのか聞いてみました。
地震の時に船は『沖出し』をする
私は普段、仕事の内容を旦那にほとんどききません。
が、こんな地震の時って何するのかなと思って珍しく聞いてみました。
津波来る言うのに、高台から降りていくのも怖くてびびってたのに、さらに船出して沖にいたとかドン引きでした。
沖出しとは
地震の際に船に駆けつけ、津波に向かって沖に出ることを言うようです。
「地震が来たら沖に出ろ」
は、船を守るため、各地の漁師たちに言い継がれてきた先人の教えだといいます。
確かにポニョでも陸の人は高台へ、船は沖に出ていました。
ただ、近年では、漁船を監督する水産庁のガイドラインで「沖出し」が原則「禁止」とされてるそう。
読めない津波に向かうリスクをとるより、陸で逃げたほうが安全だからです。
3.11の津波で明暗を分けたのは出航タイミングと沖までの距離
3.11の津波の時はどうだったのか。
調べてみると、助かった人も、亡くなった人もいました。
地震があった際に、津波の影響を受けやすいのは遠浅の海です。
だから津波の影響を受けにくい目安とされる水深50mの所まですぐに船を出せるかがキーになるのだそう。
3.11の漁師さんたちの命の明暗を分けたのも、まさにその時間と距離だといいます。
【参考記事】
<回顧3.11焦点>津波から船守る「沖出し」 戻った船と波に飲まれた船、明暗を分けたのは…
情報にもよるけど、運の要素強すぎる!!!!
沖出しは安全か?ルールを模索中
3.11の震災でも、助からなかった船もあり、賛否両論のある沖出し。
確かに、津波の高さによっては波を上手く超えられればいいのかもしれません。
その後の余震などがある場合、陸より海の方が安全な場合もあるでしょう。
でも、文字通り一か八かの行動のように思えて恐ろしいです。
動力船(定置網や刺し網など)は、漁師が陸上にいた場合、港口で予想される津波の高さが3メートルの津波注意報・津波警報、5メートルの大津波警報、10メートル以上の大津波のいずれも「沖出し」しない。ただ、津波到達まで2時間以上のケースは漁船までの移動時間で判断するとした。
今回は1mと予測されていたから沖に出たのかもしれませんが、3mと予測されて実際来たのが10mだった3.11の津波を考えると、無謀な賭けに思えて家族としては気が気じゃない。
ちなみに釜石海上保安部のHPには、
比較的強い地震(震度4以上)を感じたとき又は弱い地震であっても、長い時間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちに港外(水深の深い広い海域)退避しましょう。
とありました。
予測不能な津波や地震に対して沖出しは昔から海で働く人のセオリーなのかもしれません。
深い海域まで短時間で出ることができれば、人命も船も守れる、そう思って行動している人も多いのだと思います。
沖出しは、地震発生時に海上にいる船など、限定的な船が対象になるとのことですが、今回地震がきて、津波がすぐ来ると言われた佐渡ですら、揺れの後、船に向かって港から船を出していました。
危険がある時は、経験や、教えられたことを優先して動く人が多いのも仕方ないことなのかもしれません。
実際、今回の地震でも多くの船が沖出ししていたようです。
今回の地震でも300隻ほどが沖だしをしている
沖出しは、海で仕事をする人たちには常識なようで、今回も旦那だけじゃなく多くの関係者が揺れと共に船に走り、沖に船を出していました。
“沖出し”3県で300隻余りに
船を守るという責務はあるのだろうけど、津波に向かっていくって想像しただけでも家族としては怖いです。
安くない商売道具でもある船は、海で働く人にとっては重要でしょう。
ただ、様々なケースを鑑みてガイドラインや近年新しいルールの見直しなどがあるのも事実。
地域によって地形が異なることや、地震の大きさや津波の高さにもよる、不測の事態への対処なので、ガイドライン化も難しいと思います。
それでも、海で働く旦那を持つ家族としては人命第一の判断ができるきちんとしたルールを設定して欲しいと切に願います。
【関連記事:家に残された公務員妻の心境】
https://sakamotodappantyu.com/archives/jisin.html
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コメント
コメント一覧 (2件)
素晴らしい記事。勉強になりました。
ありがとうございます!嬉しいです!