いきつけ店で文句言いながらも結局たべたら満足してしまう感じ「一人称単数」村上春樹

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回はつぶあんさんのチョイスで、「52ヘルツのクジラ」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

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悪態つきながら読んでも相変わらずの村上春樹に負けた気分で終わる

<あらすじ>
短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。

感想:★★★

中盤までは、「はいはーい、また女と音楽の話ね」という感じで、一旦本を置いてしまった(村上春樹風に言うと「よくあることではあるが」)。

後半、とりあえず読み進めてみるとヤクルト・スワローズの話があるじゃないか!

野球好きで神宮球場にも行った私は、ここで一気にテンションがあがった。

そして詩集を出していたことなんかも知らなかった。

高橋源一郎にしろ、村上春樹にしろ、文豪なのに、詩の世界には親しみや憧れを持つのにがっつり踏み込まない。

私はそこにある境界線が好き。

載せている詩も、ちょっとうまいけど、ちょっとださくてたのしい。

やっぱり小説家だな、この人って思える。

前半のオーソドックスなダレ感を後半に味濃くして調節したような短編集

村上春樹は、飽和している。

村上春樹好きも、アンチも。

そしてその中でも変わらない村上春樹の文章がある。

ちからがぬけているような、でも、品があるような、意味があるような……。

絶妙に文句を言いたくなるような、のっかって気分よく酔いたいような。

そんな曖昧なものに良し悪し含め、引っ掻き回される感じが村上春樹の良さだと思う。

今回も、いい意味でも悪い意味でも「予想通り」だった。

たまに触れたくなる村上春樹の世界に久々にふれて、やっぱりねーで終わった。

でも、エッセイ?と思う分もあって自由なのはいいし楽しめたけど、なんとなく釈然としない部分はある。

F*、品川猿の話、そして最後の一人称単数も個人的にはじんわり嫌な感じがするから比較的好きだった。

自分が大人になってきてからもそうだけど、もう30歳も過ぎると人生ってそんなに大きく変わらない。

別人にはなれない。

そういう意味でも、いつもの村上春樹を感じた。

こんな文豪でも好きなもの、ずーっとずーっと変わらないんだなと思える。

酒、女、音楽。

いつも、そればーっかり。

レコードで聴くクラシックと、ウイスキーや洒落た酒。

ずーっと、変わってない。

それでもこんなに読まれるのはすごいよな~。

私が中学生で初めてスプートニクの恋人に出会って冒頭で脳天撃ち抜かれたときから、この人はこの人のまま。

いうなれば、地元のちょっといいところの料理店の偏屈な店主がだすいつもの変わったスパイスを使う料理が、好きだかわからないまま定番のメニューとして染みついてしまってなんだかんだ満足して帰宅するような読後感でした。

この感じは、みんなこぞってレビューを書いてることからも見える。

なんか言いたいことを好き勝手言える小説だよね。そういう意味ではやっぱりすごい。

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