刑事と犯人両側から見えていく真実に引き込まれる「罪の轍」奥田英朗

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回は私のチョイスで「暇と退屈の倫理学」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

【オンナノ本ノヨミカタ】

オフの楽しいは踊らされてるだけ?「暇と退屈の倫理学」國分功一郎

【オトコノ本のヨミカタ】

【コラボ書評】人はなぜ退屈するのか:國分功一郎『暇と退屈の倫理学』【哲学】

今回はつぶあんさんのチョイスで「罪の轍」です。

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「無事でいて」万が一を願わずにはいられない悲しい事件を追う

<あらあすじ>
刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。

感想:★★★★

2日で徹夜して一気読みしてしまった。

おもしろかった~。

MIU404にハマって、警察ものみてたから、昔の捜査一課の体質が想像以上に入り組んでたのを垣間見えたのも個人的にワクワクしたポイントでした。

オリンピック前の世間との温度差やマスコミ報道による大きな感情の渦も、時代は変わっても変わらない。

だから今読んでも新鮮で、面白かった。

東京と、北海道の田舎町の対比も個人的にはすごくよかった。

潜在的に生み出された「ゆがみ」からの悪意なき殺意が一番怖い

読み込む中で、犯人の中に出てくるのは親子関係による歪み。

子育て中の今、尚更刺さっていたかった。

でも、生活に余裕がないと、子どもに愛情をかける余裕すらなくなる。

そのまま、子どもを利用したり、ないがしろにすることで出てくるのがこんな「ゆがみ」なんだなと思うとやるせなかった。

子どものゆがみは、人生の思いもしないところで出てくる。

相手のことを考えたり、慮ることを学ばないままだと、生きやすい方に流れるのは当たり前だ。

そこには純粋な選択しかなくて、見えやすい「悪意」はない。

だから、見つけづらいし、直しづらい。

罪の轍のもとは、身近にある。

警察の捜査は99%無駄

警察側の視点も面白かった。

一つの真実へ糸を手繰り寄せ、絡まりをほどくように情報を集め、一つづつ近づいてく。

すっごく手間がかかるし、すっごく無駄が多い。

こりゃあ大変だと。

しかも、「正義」をたてるために警察になった人がアウトローの考え方を得るには、ある程度そっちにもつっこまなければいけない危うさもひしひしと感じた。

でも、それが面白かった。

オトコノ本ノヨミカタ

つぶあんさんにはどこが刺さったのかな~

刑事と犯人両側から見えていく真実に引き込まれる「罪の轍」奥田英朗

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1986年高知生まれの五黄の寅年、一児の母。 転勤族の妻で今は佐渡島のターン。
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