日常的にはネガティブになって得することがないので基本前向きなんですが、もともと根暗なのでぐるぐると考えてしまうような作品を本や漫画でたまに欲します。
そんな中でも結構好きな…古屋実作品。
2巻でおわっちゃってちょっと残念!
【自分がこの世にいていい存在かどうか考えたことはあるか】
あらすじ
バウムクーヘン職人・大西たつみは四十路にして初恋に落ちる。だが、その恋の行方は、文字通り迷宮入りに。次々に大西に降りかかる説明不可能な不自然現象。翻弄に次ぐ翻弄で、もはや大西は人とは呼べない存在に。
同じような元人間の「モウソウ」と「正気」と行動する中、人里離れた山中で全身毛だらけの純平君に出会う。純平君いわく「人間に見られたら死ぬ」とのこと。まさかと思ったが当の純平君が死んでしまい、事態の深刻さを思い知る。大西たちは現状を打破すべく、一計を案じる。それは人間に出会う確率の高いリスキーな計画だった。この迷宮から無事に帰還し、再びバウムを焼ける日は戻ってくるのか。
感想:★★★★
もうあらすじから意味が解りません。笑
でも引き込まれて読んでしまう。
そしてたまに投げ込まれる真理をつく爆弾発言。
ああ、こういう人おるわ…たまに…
と思ってしまう人が出てくるのもおもしろい。
まあ、他人事ではないのですが。
適当に生きてていいと思ってる?
みたいなことを問いかけられているような気がして、場面場面で肝が冷えます。
仕事でも、恋愛でも、家庭でも、「ちゃんとしている」部分なんて一部であって、それ以外の「なんとなく」とか「まあいっか」とか、「考えても無駄やから」とかそういううやむやの部分はだれにでもあると思う。
そういう妥協に妥協を重ねてちゃんと生きてないと、こういうことおかしくないなとがおきても思うのは私だけかな。
人間て、生きて死ぬだけやのに「このままじゃダメや」とかそういうことを思う場面って多々ある。
なんでやろ。
産まれてきて、死ぬだけやのに。
その生きちゅう間に「やらねばならぬこと」ってなんなんやろう。
その業(カルマ)とか意思みたいなものが人を動かして、進化して、時に間違いながら時代ができるとして…
と思うと、人間の一生ってただの小さなパズルのピースの一つなのかも。
その中で、たまたま「偉業」をなしたいくつかが大きな絵の重要なパーツだったりするだけなのかもしれない。
なんで適当に生きたらいかんがやろう。
責任から逃げたらいかんがやろう。
人間は、なぜか迷う暇なく死ぬ個体じゃない。
意外と人間には時間がある。
それは、考えろってことなのかもしれん。
そんなことを考えさせられました笑
育児の合間に笑
ちょっと哲学的なことを考察したい方にはおススメです。
2巻で終わってしまったのが少しもったいないな。もっと沈みたかった笑
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