食べるように文字を読む。そしてその世界に遊びにいく。
そんな私にうってつけ、舞城王太郎の100物語、「深夜百太郎」
入り口と
出口が
あります。
粗いあらすじ福井の西暁(南条)と東京の調布が舞台で、交互に繰り広げられる100の怖い話。
交互に繰り広げられるのは”都会の怖さ”、”田舎の怖さ”。
ぞくっとする。
2015年5月24日から8月31日 まで毎晩怪談を1話ずつ、100日間に渡ってお贈りした舞城王太郎のホラー作品。この作品は夏の夜に一話づつツイッターで書かれたことも話題になった。
感想:★★★★★
よかったっす。
こびりつく恐怖と「何か」の気配は、私たちが忘れようとしているものに思えて仕方がない。
というわけで一気読みしました。
あー、おもしろかった。
例えば、
●サイクリングロードで追ってくる首なし自転車
●彼女が消えたトンネル
●蛍を一人で見に行ってはいけない
●好きな人を追って山に入って騙されて帰れなくなる
●神通力?のあるおじいちゃんの遺体を巡って繰り広げられる争奪レース
●人の家を覗くことで何が返ってくるか
コレで何夜も眠られなくなりました笑
私は西暁の話の方が多くのこったなぁ。
流石田舎育ち。
よく福井は敦賀で降りて関西へ向かうこともあったので、この話もしかしてあそこ?!
と思うトンネルも。
高速道路で福井を抜ける時は山に色々な「奴ら」がいることを意識してしまうようになりました。
人は目に見えるものばかり信じるようになっている気がする。
その方が便利だから。
おばけがいるとか、幽霊がいるとかそういう簡単なはなしじゃなくて、人間の中にあるねじまがった感情や、恐れ、そこに残った想いなんかはあらゆるところにおる。
田舎に漂う不思議な嫌な感じだとか、良いものだとか、山の怖さとか、都会の毒とか、そういうものをひとつずつ取り出せる不思議な箱でした。
怖いのは苦手やけど、これは終わるのが惜しかった。
そしてツイッタ―で小説が出来上がるというのも、現代らしくて素敵。
また新作を待つ時間がつらいよ~
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