老いと若さと生と死と性と「眠れる美女」川端康成

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回は私のチョイスで、「夢も見ずに眠った。」を読みあいました。

【オンナノ本ノヨミカタ】

結婚が終わりをむかえるときとその後。男と女は何を感じ、どう生きていくのか「夢も見ずに眠った。」絲山秋子

【オトコノ本ノヨミカタ】

【コラボ書評】愛おしさと切なさ『夢も見ずに眠った』【絲山秋子】

今回はつぶあんさんの渋いチョイスです。

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自分の中の猛る思いとその炎が消える様子

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女―その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作『眠れる美女』のほか二編

感想:★★★

う~ん、需要ありそう、そして現実にもありそう。

しかし、色っぽい情景が浮かぶ描写に、静かに猛る老人の衝動は私にはピンとこず、そこまで響かなかった。

丁度添い寝だけというショッキングさに歯止めがかかった秘め事でありながらも上品な部類に入るような設定だったからかも。

あらすじから、もっとなまめかしい恐ろしいものを期待してしまった。

私も60代になればもっと共感できるかも。

添い寝の魅力と需要

添い寝とは、何時の時代も一定数需要があるものなのだろうか。

近年では、疲れた女性向けの添い寝サービスの商売漫画があった。

性交渉を伴わない(とされる)添い寝の魅力とはなんだろう。

安心感、あたたかみ、手に入らなかった者に対する渇望。

孤独がいやだというのはよくわかるが、主人公には妻も娘も孫もいる。

欲は、多分そんな幸せの上にあっても消せないものなのかもしれない。

はかり知れぬ性の深みに、江口は六十七年の過去にはたしてどれほど触れたというのだろう。しかも老人どものまわりには女の新しいはだ、美しい娘たちが限りなく生まれてくる。あわれな老人どもの見はてぬ夢のあこがれ、つかめないで失った日々の悔いが、この秘密の家の罪にこもっているにではないか。

P44,45

でも、寝て起きたら夢の様に遠くなっていくそれは、さらに喉が渇くのではないか、と私は思うんだけどな…。

まあ、だから夢と現実の間の産業としてはなりたつのかも。

しかし、日本語が美しいのでやはり過去の文豪の作品は定期的に手にとろうと思えました。

オトコノホンノ読ミ方

私は目の前の欲求を満たすのでせいいっばまいやけど、男のロマンスにあたる部分は奥が深くて複雑なんやろうなとは、思う。

というわけで男性のつぶあんさんはどう読んだのかな~

文豪が描く歪んだ営み:川端康成『眠れる美女』

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