【本】殺した女、殺された女。現役作家が描く実在の事件を妄想でひも解く”女という病”中村うさぎ

女は、生まれてからそのまま女じゃなく、

「女になる」必要がある七面倒くさい生き物だと思う。

今回のこれは、エッセイでもない、ノンフィクションでもない、小説でもない、

でもそれらが混ざり合った、何とも言えない一冊。

例えるなら、

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【スギヨの香り箱(本物に近いカニカマ)】


あらすじ

ツーショットダイヤルで命を落としたエリート医師の妻、我が子の局部を切断した母親、親友をバラバラにした内気な看護師…。殺した女、殺された女。際限ない欲望、ついに訪れた破滅。彼女たちは焼けるような焦りに憑かれて「本当の私」を追い求め、狂い、堕ちた。女性が主役を演じた13事件の闇に迫る圧倒的ドキュメント!女の自意識は、それ自体、病である。これは、あなたの物語。

感想:★★

ノンフィクションでも、小説でもない、

その隙間を狙って書かれた一冊というのは序盤からわかっていたはずですが、

事実の小説より残酷で、冷たい部分と、

筆者の妄想のどろどろした感じが混ざって、

何とも言えない読後感でした。

今回の読書は「毒」を求めて読み始めましたが、ノンフィクションを読むワクワク感の方が勝ったし、

小説のように筆者の思惑(創作、妄想)が現実と離れて感じられる部分もあり、不思議な感じ。

センセーショナルな事件ばかり扱っていたので、

飽きることなく最後まで読めましたが、

作品としてはどう扱うべきか悩む一冊。

本物に近いけど、本物じゃない。

感触としては、三流週刊誌の人気コラムのような…


あなたはどうして謎めきたがったの?いやもちろん、その性癖自体は、それほどめずらしいものではない。そういう女の子を、私は他にも知っている。だけど、私が面白いと思ったのは、あなたが「表現者」だからだ。

 漫画であれ、文章であれ、何かを表現しようとする人間には、一つの悲しいがある。誰かに自分を語りたい、という欲望。顔も見えない読者に向かって「私を見て。私を理解して。私と何かを共有して」と訴えずにいられない、ある意味、物乞いにも等しい卑屈な欲望。それが、我々の創作欲の正体ではないか。

P19 第一章 空っぽの椅子


要するに、我々の不幸は、「自分が手にしているチケットの、本当の価値が目に見えない」という点に尽きるのではないか。この世に生まれた瞬間から、我々の手に握らされているチケット。そこには「才能」やら「美貌」やら「知性」やら「家柄」やらといった各人の付加価値が記されているのだが、その付加価値によって自分が生涯「エコノミークラス」 に座らされる身分であるのか、はたまた「ファーストクラス」に案内される価値のある存在なのかは、どこにも明記されていないのだ。

 よって、人は、自分の価値について苦悩する。

P80、81 第五章 ”有栖川宮妃”のファーストクラス


私という物語

人間の基本的な欲求とは「食欲」「性欲」「睡眠欲」であるといわれている。ならば、この三大欲求が満たされてしまったら人はどのような欲求を抱き始めるのであろうか。

中略

 答えは「私」である。何不自由なく暮らしているように見えるお嬢様やキャリアウーマンや主婦たちが、突然、己の築いてきたすべてをリスクに晒して「自分探し」を始める。「これが私」という幻想を与えてくれるものを手に入れるため、際限のない消費にハマる女もいる。

P102、103  第六章 青木ヶ原樹海から出てきた女

嫌悪感が消えずに読み進めてしまうのは、きっと私も本書の中にある「女女しい部分」があるからだと思う。 


そういう意味で重く、でも気になって仕方ないので最後まで読み切ってしまう一冊。

女の、ゲロ吐きそうな部分満載!!笑

結構お腹に残る「毒」。

そういう本を読みたいときのおともにどうぞ。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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プロフィール

高知出身の1986年生まれ(五黄の虎)

18歳で脱藩、京都、金沢、富山高岡、能登半島住の転勤族。北陸か高知に大体おります。いつの間にか本籍は新潟県佐渡島に。一児の母。

元肉食系広告代理店勤務だったので、恋愛やお店のPRに関してのアドバイスが得意。

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さかもと みき 作『坂本、脱藩中。』はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。








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