午後、眠りすぎたある日、
息子をチャイルドシートに乗せて、ドライブに出かける。
夕方と夜の間をすり抜けて、
お気に入りの曲をリピートさせて、
車はすすむ。
夕方から夜はわたしの友達だったはずなのに、
近ごろはごぶさた。
日が沈むと息子の散歩も切り上げて夜の手前には、家に帰る。
だから、夜が始まりそうな大好きな時間を好きなように過ごすのは久しぶり。
本当は、どこへ行ってもいいのに、
本当は、何をしてもいいのに。
なぜか、少し夜に食い込んだ時間にドライブをするだけで開放感を感じる。
相性のいい人といたって、
息子といたって、
わたしがひとりになりたがる癖はぬけないのか、
と考えていたら息子が泣いた。
ぐずる息子に声をかけながら、
車は走る。
音と言葉は、
身体が丸ごと裏返った様な、
他人になった様な体験をしたのに、
「ああ、好きなものは好きなままだ」
と、少しだけほっとする。
ノンカフェインのカフェオレを購入し、
いつも行かない店に行く。
泣き止んだ息子を
ベビーカーに乗せる。
暗闇とわたしをみながらきょとんとした顔を見て、
「いっぱいはじめてがあっていいなぁ」
と思う。
それをしばらく近くで見ることができるのか…
とも。
息子といても、自分一人でいても、幸せを感じるように。
バランスをとりながら、過ごしていこうと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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プロフィール
高知出身の1986年生まれ(五黄の虎)
18歳で脱藩、京都、金沢、富山高岡、能登半島住の転勤族。北陸か高知に大体おります。いつの間にか本籍は新潟県佐渡島に。一児の母。
元肉食系広告代理店勤務だったので、恋愛やお店のPRに関してのアドバイスが得意。
フェイスブック、ツイッターのメッセージ、そしてコチラでもライティングやインタビュー依頼、ブログでやってほしいこと受け付けます。
さかもと みき 作『坂本、脱藩中。』はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
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