実は通ってこなかった星新一。
松田龍平が好きっていよったので、いつか手をだすかなと思ってましたが産後すぐに読み始めました。
例えるなら、
【まわらないすし店の季節の地物寿司の12貫コース】
あらすじ
家事万能のロボットを手に入れたら…。世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら…。安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。超現代のなかでも、あいかわらず滑稽で愛すべき、人間らしい心の動きをスマートに描く11編。新鮮な発想、奇想天外なストーリーの展開、そして意外な結末は、あたかもアイディアを凝集した玉手箱。
感想:★★★★
ショートショートなのに、引き込まれ感がすごい。
文句なしの一話一話が続いて、大満足。
重くもなく、軽すぎず。
秀でているのに、癖がない。
語ることがほとんどない。
むだな言葉の削がれた、最短距離で楽しめる物語。
小難しいことを言わずに、物語全体で大事なことを完結させちゅう。
決め技?みたいな作家の独特な言い回しとかがないき、
引用部分はないけど、物語がまるっとまとまっていて楽しめる。
面白かったし、
集中力のない産後でも読めたので、またほかの作品を読んでみます。
今回は解説から星新一本人の他の作品で語っていることばの引用。
「そもそも、アイデア捻出の原則は一つしかない。異質なものどうしを結びつけよ、である。常識の殻を破りたいとは、誰でも考えていることだ。しかし、この殻は非常に強固なもので、いかに待っても自然に割れてはくれない。異質なものとの結びつきによってのみ可能なようだ。
時代の最先端はなんだろう。宇宙船だ。時代遅れのものはなんだろう。キツネツキがある。では、キツネツキの男をロケットに乗り込ませよう…。といった方式で私はSFの発想を得ているわけだが、これは私ばかりではなくほかの作家もそうだろうし、また、小説に限ったことでもあるまい」
(「進化した猿たち」1)P189 解説
「あとは、辞書をそばに誤字を減らすよう努力し、文字を丁寧に書くように気を付ければ、文章にはしぜんと、あなたの人柄のいい面があらわれてくる。相手は必ず好感を持って読んでくれる。相手にその内容は伝わらないかもしれないが、あなたの存在は必ず伝わり、心のどこかに残るはずだ。
それで充分ではないか。」
(「文体」)P194 解説
コピーして手帳に貼りたいぜ。
文を書く時に忘れがちな大事なことを書いていると思う。
有名どころは読む理由がそれなりにありますね。
次はこれを読んでみようかな。
もちろん、今回紹介したこれもおすすめです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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プロフィール
高知出身の1986年生まれ(五黄の虎)
18歳で脱藩、京都、金沢、富山高岡、能登半島住の転勤族。北陸か高知に大体おります。いつの間にか本籍は新潟県佐渡島に。一児の母。
元肉食系広告代理店勤務だったので、恋愛やお店のPRに関してのアドバイスが得意。
フェイスブック、ツイッターのメッセージ、そしてコチラでもライティングやインタビュー依頼、ブログでやってほしいこと受け付けます。
さかもと みき 作『坂本、脱藩中。』はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
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