緊緩の法則とは?知と理から見える化する笑い「らくごDE枝雀」桂枝雀

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回はつぶあんさん(つぶログ書店)のチョイスで、「孤島の鬼」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

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今回は私の提案で、「らくごDE枝雀」!

お知り合いのお医者さんにおすすめされた、笑いのメカニズムを紐解いた一冊です。

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緊張と緩和が人の感情を動かす

<内容>
上方落語の人気者・桂枝雀が、落語の魅力と笑いのヒミツをおもしろおかしく解きあかす本。古典中の古典「寝床」「宿替え」から新作「雨乞い源兵衛」まで、持ちネタから選んだ落語五席を紙上で再演。さらに五回の対談で「笑いのメカニズム」について考えをめぐらし、落語のサゲを四つの型に分類してみる。

感想:★★★

こんな本をチョイスしながら、私、全く落語にはあかるくありません!

せいぜい、Eテレの子ども向けのアニメ描写の落語を息子とぼーっとみるくらい。

それを見ても、

落語って難しそうやな~古臭いな~まあ、でも上手いことまとまってるな~クスクス

なんて思うくらい。

老後とか、ハマる人はハマるけど、私はもっとずーっと先だなぁと思ってました。

でも、最近認知症予防にアクティビティを取り入れて、笑いを誘うという療法を学ぶ中で知り合いのお医者さんにこの本をすすめられ、興味を持ち、読んでみました。

興味をもったのは、落語、ではなく、「緊張と緩和の法則」です。

落語の組み立て方に人の心を揺さぶるヒントがある

落語と、笑いに関する解説を挟みながらすすめられる、飽きない一冊でした。

もちろん、緊張と緩和に関しても解説、むしろ図解までしてあり、笑いの人はもちろん、文字で人の心を揺さぶりたい私なんかにもとっても参考になる話がてんこ盛りです。

この本を読んでいくと、落語って、クスクス「面白いなぁ~」っておもうだけじゃないのが解りました。

●面白い
●なんで?からのなるほど
●うまいことかぶせるやん!
●え?

落語は面白いだけじゃなく、人間の五感に訴えかける演劇の一つなのかなーと。

ストーリーと、現場感、語り口でその人の中にある情景を膨らませる語彙力、色んな要素が重なり合って、成熟するものなんだなーと。

一回も落語をまともに見たことがない私にそれを教えてくれました。

そして、庶民的な話なのに、日本語の美学や面白さも詰まっていて、なるほど、ハマる人がいるのもよくわかるなーと。

今回、特に、私が感銘を受けたのが、情に関しての考察でした。

枝雀:わたしはね、「人を先にする心」ちゅうことで「情」をとらえてまんねん。
小佐田:「人を先にする心」。そらどういうような?
中略
枝雀:「人を先にする心」ですねんけど、これは落語に限らずどの分野でもね、人が「あゝ人間ちゅうもんは結構なもんやねんな」と涙するということは、結局「自分をあとにして他人を先にする」ということやと思うんですよね。人間としたらそうありたいんやけど現実生きていく上ではなかなかそうもいかない。どうしても自分を先にしてしまう。そこでせめて落語なら落語の中で、「人を先にする心」にふれてほんまはそうありたいもんやなァと思いつつ涙するわけですわ。
中略
枝雀:自分の身をほろぼしてでもちゅうと「人をさきにする心」すなわち「情」が濃いすぎて、おしつけがましさが出てきてしまうんですね。どないゆうたらよろしいかナ、つまり自分の身に余裕のある分だけ他人を先にするというか、自分にはマイナスの影響もあまりない範囲で他人を思いやるとでもね……。

P156.157

絶妙な、心の比重の表現に、ああ、すごく分かるなぁと。

よく恋愛でも情を引き合いに出しますが、情に関して考察したことがなかったので、すごくしっくりきました。

人のことをおもいやることなのに、重さによって押しつけがましさが出てしまう。

落語では、そんな絶妙な表現も表しながら、物語の中の人間をすごく人間らしくしていくんやなと。

そういう風に落語ができてるのを知ると、急に落語が、笑いが立体的に見えて面白かったです。

「緊張と緩和の法則」

人は、どういうときに笑うのか。

いちばんの根本は人間の身体がどういう状態になったら「笑う」という状況になるのか―、いわゆる生理的なもんがいちばんの根本やという結論に達したんですわ。

P49

その答えが、「緊張と緩和」緊緩の法則。

心が緊張するから、ほっとして緩むときに心が揺さぶられる、心が解放される。

これは、細かく言うと呼吸もそう、吸って、とまって、吐き出すと心がはーっとなるあの感じ。

これって、まさに、優しいだけじゃダメな男性と一緒だなーと。

ひとの心を揺さぶるには、その2つがどうしても必要だなっていうのを改めて感じました。

それを笑いの中に見つけて化学みたいに分析していく枝雀さん、ファンが多いのも納得です!

人を笑わせたい人、心に言葉でアプローチしたい人にはぜひ読んで欲しい一冊です。

人の心を揺さぶるプロがみつけた「笑わせる」のからくりがわることで、人を笑顔にさせることができれば、もっと笑顔が広がる。

私みたいな落語初心者はもちろん、落語ファンは必見の一冊ですね!

私は、「雨乞い源兵衛」、好きになりました!笑

オトコノホンノ読ミ方

落語が好きと言ってたつぶあんさんがどう読んだかすごく気になります!

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1986年高知生まれの五黄の寅年、一児の母。 転勤族の妻で今は佐渡島のターン。
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