同士少女よ敵を撃て(逢坂冬馬)戦争がどう人間を変えるかが書かれている

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回は私のチョイスで「残像に口紅を」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

【オンナノ本ノヨミカタ】

残像に口紅を(筒井康隆)を若者はどう読んだのだろうか

【オトコノ本ノヨミカタ】

【コラボ書評】究極の実験小説:筒井康隆『残像に口紅を』

今回はつぶあんさんのチョイスで「同士少女よ敵を撃て」です。

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普通の少女が100人近く人を殺す狙撃兵になるまで

同士少女よ敵を撃て

<あらすじ>

1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ──。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

感想:★★★

少女が復讐を誓い、技術をあげ、仲間と共闘してゆくすごくわかりやすい設定。

第二次世界大戦中のロシアとドイツの対立状況も細かく描写されており、背景のしっかりした戦地での展開もイメージしやすく長いけど読みやすい。

美少女たちがめきめきと腕をあげ、戦闘を重ねるたびに強くたくましくなっていく様子に引き込まれ、最終的には個々のキャラにすごく親近感を抱いてしまう。

戦争が人を壊す瞬間をまのあたりにしてしまう一冊

個人的に印象的だったのが第四章。想像以上に心が動いた。

262ページから266ページのセラフィマが殺した人数を誇り、看護師ターニャに殴られるシーンは心に残る。

戦争状態の中、「仕方ない」状態から射殺を重ねていくうちに人の命への意識が変わってしまう。

人間が変わる瞬間って、結構あって、それを目の当たりにしてしまった時の周りのしらけた感じと悲しい感じをすごくリアルに感じるシーンでした。

人の命がほんとうにろうそくのようにふっと消える。

人間の感覚がマヒしていく様子は、戦争は知らないけどこのコロナ禍で感染者数とか死者数とか、毎日見るうちに何も感じなくなるのに似ているなと感じました。

自分の中に正義はあるのか

第六章では復讐を誓った相手イェーガーとの戦いがあり、これは胸の熱くなる展開でしたね。

セラフィマの駆け引き、罠、そしてここで亡くなってしまうツンデレオリガの最後。オリガぁあああ!

セラフィマの尋問の仕方や、敵地に乗り込むときの計画、そしてイェーガーの急所を突く戦い方は本当にお見事。

かっこいい。

かーらーの、ミーシカ!!!!

な。戦争は人を変える、はセラフィマだけじゃなかったのよねって感じの悲しい終わりでした。

セラフィマは美しく賢く強いけど、戦争の中で自分の中の正義を、生きる意味を何度も見失いそうになる。

最後は、その迷いの中進み、生き残った道の中で生きる意味や幸せを得る。彼女なりの。

キャラがめちゃくちゃよい物語なので、アニメ化、映画化とかもしやすそうな一冊ですね。

面白かったです~。

オトコノ本ノヨミカタ

つぶあんさんはどう読んだのかな~

【コラボ書評】独ソ戦を戦う女狙撃手:逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
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