人を裏切り生き続ける人はどこに行くのか。第122回芥川賞受賞作「影裏」沼田真佑

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回はつぶあんさんのチョイスで、「オルタネート」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

【オンナノ本ノヨミカタ】

近未来の恋の形?データで恋は成就するのか「オルタネート」加藤シゲアキ

【オトコノ本ノヨミカタ】

【コラボ書評】加藤シゲアケによる直木賞候補作!『オルタネート』

今回は、私のチョイスで「影裏」です。

スポンサーリンク

大事な人のこと、どこまで知ってる?

<あらすじ>

会社の出向で移り住んだ岩手で、ただ一人心を許した同僚・日浅。
ともに釣りをし酒を酌み交わしたその男の、もう一つの顔に「あの日」以後触れることになるのだが――。
デビュー作にして芥川賞を受賞した本作が、単行本未収録の「廃屋の眺め」「陶片」を加えて文庫になりました。

出典:担当編集者より

感想:★★★★

よかったー!!!!

こういう小説を読みたかったー!さすが芥川賞!そんな読後感の小説でした。

「暗いきらめき」って評されているけど、私にもそれが見えた。

それは、お父さんが川釣りをする人だからかも。

自然と向き合う人って、結構人間関係とか、不器用だったりする人いるよね。

生きるのがちょっと下手な人とかね。

お父さんを通してみた、通り過ぎて行った色んな人を思い出したよ。

そして、そういう関係や、釣りがすごく楽しかったことも思い出した。

すごい、暗ーい、でも、きらめている。いい出会いだったなと思える作品だった。

映画も絶対見る。

幸せでも不幸でもない長い人生「廃屋の眺め」

これも結構好きだった。

家族をもったり結婚したり、定職についたり、そういう「幸せ」とされるものを持ってない主人公の人生。

そして結婚式や結婚にまつわるエピソードがさ、すごくなまなましくてよかった。

つくづく、人の、「幸せ」って側面しか見えてないんだなーと。

あと、人とのつながりって不思議なもんだなーと。

美しい形のものは割れやすい「陶片」

個人的に一番うちのめされたのはこの作品。

姉の結婚祝いのお返しの陶器を割ってしまったこと。

海岸で陶器のかけらを拾うのが趣味になったこと。

なめらかで若い体の女性を抱く中で明確になる自分の性と、そのもろさ。

最初、影裏を読んだ時は、暗くて繊細な中にも男の不器用さや武骨さをすごく感じたから、失礼だけどこんな女性目線の作品が書けると思ってなかった。

そして、自分と立場が違うにもかかわらず、いろいろと共感することも多かった。

私も、子育ての手が離れたら、香生子みたいになる気もする。

家族の均衡とかもすごくリアル。

私は次、人生のどこで躓いたり、いきづまるのかなぁ。

オトコノ本ノヨミカタ

ちょっと暗くて重めの本書、つぶあんさんはどう読むのかな~気になるぅう!

【コラボ書評】「暗さ」を描くことで光が見える: 沼田真佑『影裏』

スポンサーリンク
スポンサーリンク

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください