夢が叶わない人の人生「勝手に生きろ!」チャールズ・ブコウスキー

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回は私のチョイスで、「一人称単数」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

【オンナノ本ノヨミカタ】

いきつけ店で文句言いながらも結局たべたら満足してしまう感じ「一人称単数」村上春樹

【オトコノ本ノヨミカタ】

【コラボ書評】村上春樹的セルフカバー?『一人称単数』

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なんで人は働くんだろう

<あらすじ>
一九四〇年代アメリカ。チナスキーは様々な職を転転としながら全米を放浪する。いつも初めはまじめに働こうとするが、過酷な労働と、嘘で塗り固められた社会に嫌気がさし、クビになったり自ら辞めたりの繰り返し。そんなつらい日常の中で唯一の救いは「書くこと」だった。投稿しては送り返される原稿を彼は毎日毎日書きつづける。嘘と戦うための二つの武器、ユーモアと酒で日々を乗り切りながら。ブコウスキー二〇代を綴った傑作。映画『酔いどれ詩人になるまえに』原作。

感想:★★★★

よかった。

私の好きな海外文学って感じ。

「あたしたちわかってんのよ。あんたが、おれはこんな仕事をやる人間じゃないって思ってることぐらい」
「こんな仕事だって?」
「そうよ。態度ににじみ出てるもの。あたしたちが気づかないとでも思ってるの?」
ただ仕事をするだけではなく、その仕事に興味を持ち、しかも情熱をもってこなさなきゃならないと知ったのはその時が初めてだった。

P14

自堕落な生活の中でいつも浮かび上がってくるのは「仕事」のこと。

おれはベッドに入ってワインを開け、堅く枕を折り畳むと背中に当てて、深く息を吸い込んだ。暗闇のなか、窓の外を見た。一人になったのは五日ぶりだった。おれには孤独は必要だった。他のやつに食べ物や水が必要なように。一人になれないと、おれは日ごとに弱っていく。別に孤独を自慢しているわけじゃない。孤独に頼っているだけだ。部屋の暗闇はおれにとって陽の光だった。おれはワインを飲んだ。

P44、45

孤独がいやになったけど、孤独が友達だった時期もやっぱりあったから、このくだりもすごくよく分かる。

チナスキーもこうはいいながら、女とつかず離れずだったりもするし。

必要なのは希望だ。希望がないことくらい、やる気をそぐことはない。おれはニューオリンズでの日々を思い出した。書く時間欲しさに、一日五セントのキャンディ日本で何週間も暮らした。でも空腹がおれの芸術を高めることはなかった。かえって邪魔になっただけだ。人間の魂の根本は胃にある。

P76

ここなんか、言ってることがやなせたかしと同じですごく共感しましたね。

「なあ」おれは言った。「俺は天才だけど、そのことはおれしか知らないんだ」
 彼女は俺を見下ろした。

P84

読んでいるうちに、10代のころ夢見たこと、それと現実の折り合いがだんだんついてくること、それでも簡単には手放せないこと、そんな思い出が押し寄せてきて、私もワインを飲みたくなってきました。

安酒の、マズい、絶対二日酔いするようなやつ。

「女は?」
「たまに。でも続かないね」
「なにが問題なんだ?」
「女って、フルタイムの仕事だろう。仕事なりゃ選ばなきゃね」

P130

人生の娯楽とめんどくさいことはセットだなとずーっと読んでいくと思い知るというか。

「あんた今、ちょっとイカれてんのよ。愛が足りなくて。誰にだって愛は必要っでしょ。それであんた、偏屈になったのよ」
「世間のやつらは愛なんかを必要としてない。必要なのは、なんでもいいから成功することだ。愛もその一つかもしれないけど、別に愛じゃなくてもかまわないんだ」
「聖書は『汝の隣人を愛せ』っていってるわ」
「そりゃ、ほっとけって意味だ。おれ、新聞買ってくる」

P150、151

私はよくドロップアウトせずに(仕事を辞めるって意味ではめっちゃドロップアウトするけど)、ずっととりあえず働き続けるのはなんでだろうなと思いながら読みました。

もしかしたら、働かないと生きていけないのかな…とも。

ずっと地をはいつくばるような生活なのに。

とりあえず、仕事に戻る。

仕事って何だろう。

読みながらずーっと考えました。

で、底辺でしんどいけど、すっごく悲しい物語でもないんだよな。

なぜか懐かしさすら覚えた。

それはなんでだろう。

同じようなことを考え、悩んでいた時期もあるからかな。

私は、そっちの夢とかを停止して仕事に逃げたのかな。

仕事と、夢のバランス、それは大体いつもアンバランスになるもんなぁ。

なんだか、センチメンタルに、そして親近感も覚えました。

映画、「酔いどれ詩人になるまえに」も見るしかないな。

たまには、小説で味わって、映画で見るのもいいですね。

オトコノ本ノヨミカタ

つぶあんさんはどう読んだのかな~。

【コラボ書評】愛すべきボンクラたちのために!チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ』

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