逃避とロマンでロケットを飛ばす「我らコンタクティ」森田るい

我らコンタクティ

同級生との再会、場末のスナックでのいざこざ、そしてロケット…

先が読めないいい漫画でした!

非日常を扱うと、つい冷めてしまうか、むずかしくなっていまいちなことが多いと思うけど、この漫画は最後までおもしろく、引きつけてくれました。

目次

大人の特権は子どもが見るような夢でもやりたいことを叶えられること

<あらすじ>
冴えない会社員をしているカナエは、小学校時代の同級生中平かずきと再会する。彼はナゼか一人でロケット開発をしていた。かずきの驚くべき目的を知り、カナエは思わず脱力!だけど、二人は一緒にロケット開発をすることに!カナエとかずきが小学校の時に見たUFOも絡み、思いもよらぬ方向へ物語は進む!いくつかの短編漫画をアフタヌーン誌上に発表し好評だった森田るい氏が満を持して放つ初長編漫画!

感想:★★★★★

お金いっぱいあったら、仕事辞めるのに…という主人公の考えから始まるこの漫画。

同級生との再会から恋でも生まれるのかなと思いきや、主人公の2人とは別のサイドストーリー的なお兄ちゃんの部分でどろっどろの恋話が出てくるくらいでした笑

ロケット作ってるうちに恋におちるんちゃうんかーい笑

でもそんなもんよりも、小学生くらいしか持てない純粋な気持ちでロケットを飛ばしたいと思って作ってしまうとか、その夢にのっかるとか、恋よりも胸が熱くなる物語で最高でした。

感情はお金に換算できない

我らコンタクティ出典:我らコンタクティ

主人公2人がせっせこロケット作る間に、お兄ちゃんとスナックのママの恋が描かれていて底の部分もすごく残ります。

男の「許される気がする」での甘えって、女の呪いを生むだけやなーって。

そんな扱いされたら、消えてしまいたい、消してしまいたいって思うようになるなって。

そんだけすごい感情が、不意にロケットづくりに夢中になっちゅう2人に近づいていくのも緊張した。

そして、そっちと違う温度で熱が増してくロケット制作。

我らコンタクティ出典:我らコンタクティ

こういう漫画が人に刺さるのって、やっぱり大人が本気で楽しんだり、夢中になれるものがないからやと思う。

ロケットじゃなくても、モノづくりや、つつく趣味って、人をちゃんと夢中にさせるのにね。

その手間(をかけてなにかをすること)が「贅沢品」になりつつあるんやろうなぁ。

ロケットの勉強になるよ

我らコンタクティ出典:我らコンタクティ

ロケットの原理とか、勝手にロケットとばしたらいかんとか、そういうのがわかると思います。

工場でこんなこと、もしかしたら起こせるんちゃう?っていうのがワクワクしますねー。

過程もちろん面白いですが、最後、最後がいいんですよ、これ。

読んで欲しいので写真は出しませんが「宇宙人に映画を見せる」という想いがね…

誰かの夢を叶える、それに寄り添うってすごく尊いことやと思う。

子どもやったらいいこととされがちやけど、大人になったら一気に「常識を考えろ」とか「バカいってんじゃない」とか「大人だろ」とかものわかりのいい人にさせられてしまうがよね。

可能性を広げるのは大事なはずやのに、規格外のものは基本蓋をするし。

うーん、その結果がこの平和なのかもしれんけど…そんなもやもやを感じながら、主人公2人は限界ぎりぎりまで諦めずに行動していました。

作者のこの2人への愛情を感じていつの間にか感情移入してググっと猛る思いがこみ上げてきてしまう漫画。

いや~、面白かった~

最近ワクワク足りてない人は読んでみてください!

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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