かわいい絵にパンチの利いた文句。
しかも時代背景がアラサーの私にドンピシャ。
そう、多感なあの時期に、興味と嫌悪とよくわからない嫉妬をもたらした酒鬼薔薇世代。
ぞわぞわしながら読みました。
一種の嫌悪は頭から離れずむしろ引きこまれることすらある
<あらすじ>
不穏な社会。宗教を盲信する家族。父親の性的虐待。私は自分も、この世界も、誰かに殺して欲しいのだった――。酒鬼薔薇世代がくぐり抜けた「あの頃」を見つめ直す半自伝的90年代クロニクル
感想:★★★★
嫌な感じがたちこめてる、それが最高で続きが、物語がどうすすんで着地するか気になりまくる漫画。
普通の感覚を持って生まれたら簡単に壊れてしまう家もある。
そして、思春期独特の裏切りとか、期待とか、絶望とかが渦巻いてすごかった。
救いの鱗片も見えん。
求めるのはそもそも破壊。
そう、「死にたい」って本気じゃないけど本気の感覚。
適度な閉塞感と、どこかに風穴がありそうな小さな小さな期待感。
今の世代の子も、そんな風に感じるんやろうか。
家が壊れてる絶望感
私も思春期は自分ちって人んちとちがって普通じゃないと思うちょったけど、まだ恵まれたほうやったんやなって大人になってからおもった。
まあ、渦中におる時は絶望の沼の底におる気分やったけど。
でも、性的虐待とか、宗教とか重なってくるともう無理やね。
よしもとばばなのハチ公の最後の恋人とか、あれは宗教から逃げ出すロマンチックさがあるけど、多分実際は簡単に逃げれんしさ。
学校と家族が世界のほとんどな時代に、詰められちょったら価値観偏って育つわ、そりゃ。
希望と裏切りはセット
この世界が変わればいいのに、からの他人への期待、そしてそれをぶち壊す事件。
「ちょっと変わったことやって世界変えてみたい」の最低なアイコン、酒鬼薔薇事件が起こる。
そこから崩壊していく愛子の人生が気になりすぎて2巻も即買いします!
アラサーのノンフィクション系が好きな人におすすめ!
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