日常の中の毒×優しさのバランスが絶妙!「マザー」江戸川治

漫画のジャケ買いって、中身を読むまでワクワクドキドキが止まりません。

あたりかハズレか。

これは、あたりでした。

目次

人の屋なところ×見捨てられないところに愛を感じる物語

<あらすじ>

先へ歩むための涙。絆を描く、珠玉の作品集――。

夢でしか相まみえることを許されない切ない恋心……。決して交わるハズのない境遇のふたりの旅路の行方は……? 偽りの関係は本物の親子へ変わることができるのか……? 様々な絆が、“ヒューマンドラマ”、“SF”、“ファンタジー”など多様なジャンルで描かれる。
そのすべてがあたたかく胸をうち、涙なくては読めない物語ばかり。

稀代のストーリーテラー・江戸川治の作品が堂々書籍化!

感想:★★★★

絵的にファンタジーが得意そうだなと思っていましたが、短編の中にはファンタジーも、現実も混じっていました。

で、涙は出ないまでも(笑)両方とも、意外とよかった。

うっかりファンになりました。

次回作品出ても買います。

以下、収録作品ごとの感想です。

『カウントダウン』

作品集のタイトルもマザーだから、どうやってお母さんと再会するのかなとワクワクしながら読んでました。

ら、まさかの展開で、一発目から読みがはずれましたね~

最低な中にも救いのある前向きな物語でした。

『苦い悪夢』

夢っていう曖昧な領域の中で恋が始まったり終わったりする物語。

潜在意識の中に、今の時代の人たちの抱えがちな悩みが詰まっている気がして、引き込まれました。

妄想や、想像、夢では上手くいかなくても、現実はもうちょっと優しかったりもする。

ネガティブな人に私も気づいて欲しいなーと思う部分をきれいにまとめてくれてました。

誰も傷つかない恋はないってとこも、よかった。

『アイジンとぼく』

実はこれが一番好きかな。

無邪気な僕と、狂った母親の奇行から始まる物語。

愛人の余裕感も好きで、やきもきしてからの……。

どんなバッドエンドなのかなと思いきや、そこに救いを作り出してたところには負けました。

『まおうの首』

ファンタジーあるあるやん~

とか思いながら見てましたが、「人間が一番怖い」のを実感するお話。

短いお話の中でテンポよくすすみ、きれいにまとまってました。

『アノコロタクシー』

2番目に好きだったかな。

それは、タイムマシーンにのっても、現実は変わらない、並行世界で少しだけ変わるってリアルがあったから

ただのハッピーエンドならそうは思わなかった。

母親になったからか、やはり、どんな子どもにも幸せになって欲しいと思う。

あと、結婚や出産だけじゃなく、「誰かのためにいきる」ことって意外と求めている人多いのかもね。

『マザー』

タイトルにもなっているマザー。

Androidに母性があるってところが面白かった。

どんどんいろいろなところが機械化されるなか、人間とロボットの付き合い方って、そう遠くない未来、課題となりそう。

人間のいい依存先になったり、師になることができるなら、人間の苦手な部分を補ってくれるいいパートナーになると思うけどな。

でも、心を求めてしまう部分も出てきそう。

Androidが嫁や旦那になる未来も遠くない気がする。

求めるものと与えるものがすれ違うと、そこには憎しみも生まれかねない

殺したいと思っていてからの…最後の言葉がよかったです。

ちょっと毒っぽいものが好きででも救いも欲しい人におすすめ!

そんな感じで、面白い短編集でした!

次回作も楽しみ~

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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