【小説】「真面目なら報われる」という保証はない”無事の人”山本有三

妊娠中にふっと出会って、あらすじで気になってとうとう読んだ一冊。

もう、あらすじでいたたまれない。

読み始めたら止まりませんでした。

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【すっぱい。きゅっとする。まるで乾燥うめぼし】

あらすじ

幼い時に母を失った”為さん”は、大工の棟梁のもとに弟子入りし、十五年間の修行のあと所帯を持った。しかし、その女房は間もなく赤ん坊を残しこの世を去る。為さんは親方亡きあと一本立ちし、後妻を迎えて新しい生活に入るが、その幸せもつかの間。祝いとして届けられた毒入りの酒のために失明する…。ひとりのあんまのいたましい生涯を通して、庶民への愛と信頼を描く。

感想:★★★★

読後感に感じたのは、「現代もこういう、真面目でちゃんとしちゅうのに不幸な人おるよな」ということ。

うちの旦那も、こういうところありそうやな~と。

わたしは結構手を抜きがちやけど、正しいのに、かみ合わんことが世の中には多々ある。

まちがわねえように、まちがわねえようにとやってきたんでさ。だが、このまちがわねえようにがとんだまちげえだったのかもしれませんね。ほれてながら、ほれてたとは、一遍も言わなかったんですからね。なんのこたあねえ、うそのつきっぱなしみてえなもんでした。

P95

これとか、ツイッターとか、でよく見る気がする。

まっすぐやりよって、評判よくなって、大成しよっても、ねたむ人や文句言う人が出てきて、足引っ張ろうとしたりするの。

どの時代も、毒みたいな人はおる。

おかしなはなしですが、仕事に身を入れると、ちょいちょい無事でねえことが起きるんですよ。わっちゃあ、無事なんてえものは、なんでもねえこった。欲さえかかなけりゃ、ひとりでに、そうなってくんだ。こんなこたあわきゃねえと思ってましたが、どうして、どうして、こんなむすかしいものはござせんね。

P103

そしてぐっときた。

自然におちつくのって、このせいやなと。

自然には、たくらみがない。権力を振り回したり、利をむさぼるということがない。それだから、自然に対すると、おのずから心がなごむのであろう。人の立ちまじらない所は、たいてい無事である。人が飛び出すと、とにかく無事でなくなる。

だが、それだからと言って、人のいない世界がいいとは思えない。そんなことは全く、いみのないことである。

~中略~

人類が発生してから、すでに何十万年もの歳月がたっているというのに、どうして人間は、こうも進歩しないのであろう。知識は進歩した。技術も進歩した。 さまざまな発明、発見があり、生活も向上したかに見えるのだが、人類の今日の、このありさまは、なんということであろう。

P113

人とはそうゆうもんだよなーと、理不尽な傾きがわかるようになってきた今読んだのもよかったかも。

社会的価値観ももちろん大事やけど、融通もきくほうがいい。

こうしたら正解なんて人生ないから、みんなが悩む。

そんなもん。

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