プレイボーイと淑女の恋の結末がエモい!「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回は私のチョイスで、「静かに、ねえ、静かに。」を読みあいました。

【オンナノ本ノヨミカタ】

SNSネットでの繋がりの薄さにのまれる現代人。アリ地獄のような現代「静かに、ねぇ、静かに」本谷有希子

【オトコノ本ノヨミカタ】

ピースなバイブスでポジティブな感じで『静かに、ねぇ、静かに』【コラボ書評】

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結末の分かった恋なのに最後のページまで心を揺さぶられる

苦悩する恋人たち。不思議な三角関係。男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。鮮烈でエロチック…。プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。

本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻き込んだ、衝撃的傑作。「プラハの春」とその凋落の時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。たった一回限りの人生の、かぎりない軽さは、本当に耐えがたいのだろうか?甘美にして哀切。究極の恋愛小説。

感想:★★★★

哲学小説かつ、歴史の変動期の恋の物語で、結構堅いかなと思って読んだけど、最後まで惹き付けられて、そして私的には終わり方がすごくよかった。

人生のドラマというものはいつも重さというメタファーで表現できる。われわれはある人間が重荷を負わされたという。その人間はその重荷に耐えられるか、それとも耐えられずにその下敷きになるか、それと争い、敗けるか勝つかする。しかしいつたい何がサビナに起こ
ったのであろうか?何も。一人の男と別れたかったから捨てた。それでつけまわされた?復讐された?いや。彼女のドラマは重さのドラマではなく、軽さのであった。サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。

P156

優秀な外科医トマーシュと、田舎娘テレザの嵐のような運命への吸引力で起こる恋の行方は、スパッと幸せにはいかない。

そもそも、トマーシュ、浮気しすぎ。

でも何百という浮気より、テレザの一回の浮気の方がなぜか重くしんどく感じて、それも重さとか、軽さにかかってくるのかなと思ったり。

サラ―ッと読んだけど、でもだんだん、一生懸命相手に尽くしたり、思ったりすることの重さが、相手を縛る、それが結婚や恋愛の成れの果てと思うと複雑。

理想の家庭をもつ主婦が家族にかける義務や正しさという呪い「春にして君を離れ」アガサ・クリスティー

「春にして君を離れ」の正しいことの押し付けで回る正しそうな結婚生活が、本当に幸せかっていう問いを思い出した。

でも、この小説は、それを振り切る幸せがあって、そこにぐっときたし、めちゃくちゃエモく感じてしまった。

そこは、浮気ヤローでむかつくけど、トマーシュが女にモテる理由がわかるというか……。

結局ああ、もう、幸せでよかったなと思ってしまった。

恋は人生を捻じ曲げ、人を遠くに連れて行ってしまう

そういえば、昔付き合っていた彼氏が、いきなりもう何年も会ってない女性にプロポーズしに行くから別れてくれって言ってきたことがあって、実際その元彼は、その人のいる県まで行って、そのまま結婚しちゃったんですよね。

なんか、このテレザとトマーシュの恋をみて思い出しました。

私の立ち位置は、愛人じゃないけど、サビナで、なんかこの物語で一番共感したのは実はサビナです。

そしてまあ、そんな人生もいいなーと、サビナの後日談を見ても思いました。

彼女の人生が私にとっては一番リアリティがあったな……。

でも、結局、そんな波乱万丈でもなく、普通に結婚して、普通に生きてしまってるけど……。

存在の耐えられない軽さ

最初は、「どういう意味?」って思ってましたが、読後に咀嚼して振り返ってみると分かる気がする。

私にとって、存在の耐えられない軽さは、ハラハラするような、当事者不在で自分だけなんかそこにいてしまう恋。

あの、悲しさ。

あれがそういえば恋だったなーと、もう恋愛のブランクあきすぎて忘れかけてたのを思い出しました。

小説って、そういうところがいいですよね☆

いいチョイスをありがとうございます!

オトコノホンノ読ミ方

奔放な愛と、一途な愛のぶつかり合い、つぶあんさんがどう読んだか気になります!

【コラボ書評】極限の状況下での恋愛『存在の耐えられない軽さ』

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