季節性うつがあるのを知っていますか?
私は日照時間の多い高知から少ない石川県に引っ越し、すっかり元気をなくしていました。
参照:年間日照時間ランキング
冬に人格が変わると同期に心配され、その中の一人が、
「季節性うつ病ってあるらしいよ」
と教えてくれました。
今回は答え合わせにこちらの本を参考にして、傾向と対策をご紹介します。
うつ病と季節性うつは違う
実は、この本を読んでいる時、旦那に、
と言われました。
が、そんな旦那も付き合いたての頃、冬に元気がなくなる私を見て、
手のひら当てて!光合成して!
と心配してくれていました。
現在、冬でも昔に比べるとかなり元気になりました。
季節性うつ病は付き合っていかなければいけない症状ですが、改善することもできると私が身をもって思うようになりました。
季節性を持つ人にとって何百万人もの同胞が同じ変化に苦しんでいることを認め、心と体の深奥からくるメッセージの正当さを信じなくてはならない。
SAD(季節性うつ)が医学の権威によって認められるまでは、このことが患者にとって大きな困難だった。
患者がSADの症状に対して一般の一連の診察と検査を受けたとする。もしこれらの結果が陰性だった場合、患者は、自分のっ問題が現実でないとか確かなものでないという印象を残して放置されることになる。しかし現代では、化学的な検査が陽性でなくても、SADを診断し、治療することができる。出典:季節性うつ病 (講談社現代新書) ノーマン・E. ローゼンタール (著) P247
季節性うつ病の特徴
季節性うつ病は夏と冬、時には秋や春なども症状が出るのを知っていますか?
今回は夏と冬に関して出る大まかな特徴をご紹介します。
季節性うつ病(SAD)の症状チェック表
[aside]冬場の季節性うつ病の特徴(鬱状態)
□気力の低下
□集中力の欠如
□処理能力の低下
□疲労感がたまりやすい
□炭水化物を多くとるようになる
□眠い
□何もしたくない
□人と会いたくなくなり、コミュニケーション能力が低下する[/aside]
超冬眠モード泣
対して、夏は逆の症状が出ます。
[aside]夏場の季節性うつ病の特徴(躁状態)
□いろいろなことをするパワーがでる
□睡眠時間がそんなにいらない(眠れない)
□テンションが高く、攻撃的になる
□仕事の効率が上がり、やる気が出てくる
□食べなくても大丈夫[/aside]
これがセットで起こる人も多く、夏と冬で人格が変わったようになり、仕事の出来具合もかなり変わるので周りの人は困惑します。
休日は誰とも会わずに寝ていたい。
平日でも少しでも時間があれば寝たい。
晴れたりあったかくならないと何もできない。
長年こういう傾向が(高知にいた時から冬がそもそも苦手だった)あり、北陸にきて顕著になりました。
冬だけ、調子がとても悪い。
毎年辛すぎて、最初の数年間は冬の記憶が殆どありませんでした。
でも本当にうつの人とは違うし…と思っている人にはこちらを参考にしてみてください。
アメリカでは季節性うつ病をチェックするためにこちらのシートが使われているそうです。
(季節性うつ病 (講談社現代新書) ノーマン・E. ローゼンタール (著)より一部抜粋)
季節により、普通のことに支障がでるのが季節性うつです。
季節性鬱になる人の傾向と症状別ランク
今回読んだ本では、アメリカでの症例をもとにまとめられていました。
[aside]
季節性うつ病の特徴
□女性のほうが多い(以外にも日本は男性の方が多い)
□ピークは40代頃
□緯度的に北の方が発症率が高い
□季節性鬱(SADとアメリカでは呼ばれる)と準季節性鬱があり、比率は1:2
□季節変動の影響を受けにくい現代では減少傾向にある[/aside]
など、が現在わかっていることだそうです。
自然の変化が人の気持ちの浮き沈みにも作用する
人間以外の動物や植物も季節ごとの変化があるように、季節によって変化することは自然なことです。
ただ、現代の社会では、季節感なくやるべきことや仕事があります。
夏にやる気が出ていろいろな仕事に着手し、秋から調子がおちはじめ、冬には気分が落ち込み、何もするきが起きずに、生活に支障が出てくる人には治療が必要です。
では、「季節性うつ」とどうやって付き合っていけばよいのでしょうか。
季節性うつとつきあっていくための対処法
最初北陸にきて、数年たち、私には耐性がついたのと、受け入れる気持ちの余裕ができました。
自分の実践を踏まえ、本にも紹介されていた季節性うつの対処法をご紹介します。
1.日光を浴びる
一番シンプルで大事なのがこの光を浴びることです。
朝、晴れていれば太陽の光を浴びるのが一番有効です。
しかし、北陸にいた時はなかなかそんな環境にありませんでした。
他にもいいと教えてもらったのは、こたつの電気、車のLEDライトなどでしたが、きちんと症状を直したい場合は光治療が有効です。
日本ではなじみがないですが、アメリカでの冬季うつ病には光治療が用いられます。
夏の昼間の太陽くらいの光の出るライトを、1日に1~2時間ほど浴びる治療法です。
治療といっても、光を浴びている間は読書など自由に過ごしてOK。
アメリカでは職場に相談してパソコン周りにおいて仕事をするだけで冬元気になれると、デスクの上に置いている人もいるそうです。
冬季に症状が出る人は、冬の間続けることで、仕事の能力の低下が防げるそう。
光治療は副作用、や薬との併用に問題がないので、冬季うつ病の患者が一番最初にすべき治療法です。
2.自分を責めない
冬季うつ病は、以前に比べて何もできなくなり、そのせいで更に落ち込むことになります。
でも、それは季節や日照時間がもたらした自然の摂理です。
抵抗しようがありません。
一週間ほど南の島に行って、症状が改善される人もいたそうですが、戻ると同じようにうつ状態になりました。
人は、思っているよりも季節の変化による、温度や日光の影響を受けるんです。
そう思って、冬の間はあきらめて自分を責めないようにしましょう。
3.運動をする
季節性うつの冬に出る症状は、体重増加、眠たい、無気力の三十苦です。
変わりたいのに、やる気が出なくなってすごくつらい。
ストレスで食欲が増し、体重が増えて、自信がどんどんなくなっていきます。
そんな中、私が冬に始めた運動がありました。
ラジオ体操です。
これも、ルールを決めすぎるとできなかった自分を責めて憂鬱になるので、緩くはじめました。
●行ける時に行く
●みんながやっているところに参加する
友人が誘ってくれたことからはじめたラジオ体操でしたが、朝一番に「できた!」と思うことができ、晴れたら日光も浴びられて憂鬱な冬の朝にエンジンをかけるきっかけになりました。
現在は、産後体重が増えたのもあり、ランニングに変更しています。
ランニングはエンドルフィンと呼ばれる脳内麻薬が出て、気持ちいいし、達成感があります。
季節性うつで悩んでいる人は、ルールをがちがちにしすぎず、気が向いた時に運動をすることを考えてみてください。
4.季節に合わせた生活リズムと仕事の割り振りをする
季節性うつの人は、夏と冬など、季節によって人格が変わったと周りに思われるほど変動します。
仕事も夏のほうが新しくやりたいことに取り掛かるパワーがあるし、やる気であふれています。
冬は逆に、単純なことしかできなくなります。
なので、一年を通して仕事の波を調節することが必要です。
例えば営業の場合、春夏で新規開拓や訪問をメインに、人に会うようにし、秋冬は分析と電話やメールメインの営業をするなど。
家事でもお金で解決できるものは冬場頼ってしまうのも一つの手です。
(※自宅のクリーンサービスや食事のデリバリーサービスを利用するなど)
冬にできない自分を責めないようにするのが大事です。
やりたいことの2つでもできれば冬は上出来。
夏であれば、倍以上のことができるはずです。
信用を失わないよう、自分のことを知って、その時の自分ができることを仕事や私生活でも調整してください。
5.ストレスを減らす
わかっちゃいるけど、溜まるストレス。
季節性うつの人はそのシーズンになるとストレス耐性が下がります。
だから意識して、
●「やるべきこと」のハードルを下げる
●今は仕方ないとあきらめる
●リラックスできる環境増やす
ことが大切。
大丈夫、季節が過ぎ去れればいつものあなたに戻ります。
6.寝すぎない・起き過ぎない
寝すぎると、どうしても体の調子が悪くなります。
冬は眠いですが、スイッチが入りにくい季節だからこそ7時か8時には起きて、日の光を浴びることを意識しましょう。
(日本海側は太陽に会えないこともあるけど、部屋を明るくしてラジオ体操すれば身体も起きます)
また、夏に躁鬱になる夏型の季節性鬱の人は、眠れない症状が出ます。
サングラスをかけるなどして日中に受ける太陽の光を調節しましょう。
それで睡眠時間や躁状態が改善されることがあるそうです。
7.自分の丁度いい気候に合ったところに引っ越す
荒い治療法ですが、季節性うつは緯度が関係していることもデータで出ています。
冬季うつ病の人が南国に旅行に行っている間は症状が改善された話もあります。
特に仕事で各地を転々としている人は季節性うつ病の洗礼を受けることも多いので納得できるでしょう。
毎年惑わされていている人は、日照時間の多い地域への引越しも検討してみてはどうでしょうか。
季節性うつの人にしてあげられることしてはいけないこと
友人や恋人が季節性うつの場合、相手を理解するのも、付き合うのも大変でしょう。
[aside]季節性うつの人にしてあげてほしいこと
①理解してあげること
②ついていてあげること
③元気づける
④簡単なことで援助する
⑤元気な時も好きでいる[/aside]
季節性うつに悩んでいる人は多くいて、珍しいことではありません。
でも、人格が違うと感じるほど変わるので、振り回されるとしんどくなると思います。
でも、季節性うつは付き合い方を知り、治療すれば改善も可能な病気です。
「冬がしんどくなることを忘れているんだね、今だけだから大丈夫だよ」
と優しい言葉をかけてあげてください。
また、冬一生懸命支えたことを、本人は元気になると忘れがち。
それでも、本当に悪気はないので元気な時も好きでいてあげてください。
[aside]季節性うつの人にしてはいけないこと
①否定・批判をしない
②敵意があったり嫌いになっているという勘違い
③本人や周りの責任だと思うこと[/aside]
季節性うつの人に対して、理解し、支持し、期待を用意してあげてください。
そういう意味でもこの本はうってつけなので、大事な人が冬にやたらと落ち込む場合、一読してみてください。
季節性うつは治療施設もあり改善できる
私は独自で色々とじっせんしているうちにかなりましになりました。
今も日に積極的にあたるようにしているし、部屋もできるだけ明るくしています。
ただ、人によっては季節性うつに+で精神的要因がある場合もあり、その場合は光治療に加え、心理療法も必要となります。
本の最後には光治療の施設表ものっていました。
できれば、本を読んで理解を深めてから、治療も検討してみてくださいね!
今のところ、冬は海の幸がうまい以外のメリットを感じられてないので、冬ももっと好きになれたらいいなと思っています。
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