目をそらしたら、幸せか。諦めたら、楽なのか。“地下の鳩”西加奈子

気分のムラに関係なく、読みやすい作家さんが数人いますが、そのうちの一人。

西加奈子。

今回はコレ。

★★★


あらすじ

大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く「吉田」は、素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく(「地下の鳩」)。オカマバーを営む「ミミィ」はミナミの人々に慕われている。そのミミィがある夜、客に殴り掛かる(「タイムカプセル」)。賑やかな大阪を描いて人気の著者が、街の「夜の顔」に挑んだ異色作。

歓楽街でおりなすすこしくたびれた男女模様と、オカマママの心の傷の物語。

人生には、

自分の人生が思うようにいって、

満足していた時期もあって、

そして同じように、

だんだん思い通りになる人生から離れていく時期が来る。

「いつまでも俺はイケてる」「まだ大丈夫」「こっちの方が逆にいいのよ」

本当の自分とずれていることをうすうす感じてても、

それを認めることもできずに生きてしまう。

じゃあ、それが不幸かというと、決してそうではない。

だって、みんなそうなるのだから。

じゃあ幸せか。

そうでもない。

ただそれだけのこと。

誰かが気になったり、

人が美味しそうにご飯を食べるのを見ているのが幸せだったり、

惰性の習慣に飽きていたり、

うまいことやっているつもりで、一つかみ合わなくなって全てどうでもよくなったり。

京都で大学生活をしていた頃、祇園のキャバ嬢の友達が何人かいた。

そこの花屋で働いたり、ボーイズバーで働く先輩や、ホストの先輩も。

イケメン揃いのボーイズバーでカラオケメドレールーレットをしてテキーラ一気して便器に沈んだり、

酩酊状態でやったギリギリアウトなことや、

普段見えない薄暗い世界の事を思い出しながら読み進めていくうちに、

懐かしい気持ちと、あの世界から出ることのむずかしさを思った。

特別な世界にみえるけど、

すぐに入ることができて、

すぐに狂っていって、

お金も男も、簡単になるあの世界。

何度も足を洗っては、何度も戻る友人の姿も見てきた。

本当に、きれいな女性程、男運がないのも。

どこの世界でもそうやけど。誰かが言うような幸せは誰の幸せでもなくて、

自分が落ち着いていられる居場所を、人を、知ってる人が幸せなのだ。

今はだいぶ遠くなってしまったけど、

もうずっと会ってないあの子たちのことを思い出した一冊でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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