月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボも4本目になりました。
一緒にコラボしてくれているのは本のプロつぶあんさん(つぶログ)です。
オンナノホンノ読ミ方
前回エッセイを読んで面白かったので、今回は笑って対談本でも読みたいなと思った私のチョイスでこちらです。
恋愛体質だったのに、気づけは、結婚し、子ども産んで子育てに追われゆ…
私も気になってきました…どうして人はキスをしたくなるんだろう?
大人だからこそ、素朴な疑問についてもっと考えたい
<あらすじ>
「ゆるキャラ」のみうらじゅんと「あまちゃん」の宮藤官九郎。
日本のサブカル界を牽引してきた〝永遠の中2〟コンビが、
くだらなすぎて今さら人に聞くのは恥ずかしい〝素朴な疑問〟に真っ向から挑む!男と女、人生、趣味と仕事……
〝正解〟ばかりを求めてさまよう日本人のモヤモヤを解消する、 ロマンチックで下世話な哲学問答集――
【素朴な疑問(抜粋)】
○どうして人はキスをしたくなるんだろう?
○恋愛と結婚の違いってなんだろう?
○セックスにはどれくらい時間をかけたらいいんだろう?
○どうして歳をとると涙もろくなるんだろう?
○お父さんはいつまで娘と一緒にお風呂に入っていいんだろう?
○チンコは何歳まで勃つんだろう?
○自分らしさってなんだろう?
○死ぬのが怖いのはどうしてだろう?
○どうして人はつぶやきたくなるんだろう?
○お金が大事なのはどうしてだろう?
○なんのために人は働くんだろう? ほか、全35テーマを収録
感想:★★★
期待通り楽しめました。
というか、最近勉強本とかお金の本ばっかり読んでたのでほぐれました笑
「愛してる」の意味、言える?
あけすけでストレートでクスっと笑えるまじめな話がてんこ盛りでした。
二人とも既婚者で、子どももいるので、昔より共感できるところが多かったかも。
それでも男性特有の下ネタは未知すぎて不思議な生態を垣間見た気分になりました笑
みうら:そもそも、恋愛って「恋」と「愛」でできてるけど、「結婚」って字にはどっちの要素も入ってないもんね。
宮藤 :関係をキュッと「結ぶ」っていう意味ですからね。「恋」と「愛」に入ってる「心」の話よりも、契約とかルールの意味合いがどうしても濃くなってくるっていうか。第一部 “男と女”の分からない P34
漢字の言葉遊びなんですが、しっくりきてわかりやすくておもしろい。
さすがです。
宮藤 :結婚って基本は我慢の中に小さな幸せを見つける作業ですもんね。
みうら:我慢を超えて長持ちする関係ってスゴいね。互いに飽きないって修行もレベル高いでしょ。
宮藤 :恋愛のドキドキっていつか飽きますからね。恋愛する相手と結婚する相手の違いって、結局は飽きがくるかこないかってことなのかもしれないですね。
みうら:「飽き」をどうにかするのが「愛」でしょ。俺ね、「愛してる」の意味って割と最近までわかんなかったんだけどさ。愛してるって「愛」を「してる」っていうことなんだよね。キープオン。相手のことを大事にするとか、敬う気持ちを進行形で持ち続けるっていうかさ。第一部 “男と女”の分からない P35
いやー、私も愛してるの意味なんて考えたことなかったな。
愛してるって、相手を満足させる飴みたいな言葉って思ってました。
言葉と向き合うと、少しずつ人生が分かってくるのかもしれんなぁ。
大人になってもわかってるようなわかってないことだらけだ
今、81歳になるおばあちゃんと一緒に暮らしよって、「そろそろお墓ができるき一安心」とかいゆうがやき、「死」ってそう遠くない延長上にあるはずやのに、今は嘘みたいに笑いゆう。
私も死ぬのに、今もがきゆう。
辛かったり、楽しかったり、色んな意味を探したり。
みうら:死ぬってわかってるのに生きるって実はすごく悲しいことだよね。最後の最後に本当の悲しみが待ってるのを知ってるからこそ、人は人との別れを涙を流してごまかして生きてるんじゃないかって気もするなぁ。
切ないね、人間って。第二部“人生”のわからない P102
突き詰めていくと「どうせ死ぬのに」ってなるのに、そうならんずにみんな生きゆう。
すごい。
宮藤 :基本的に親って子供のミーハーですからね。そこは絶対信じていい部分だと思う。だから結局のところ、心配させるのも安心させるのも甘えるのも全部ひっくるめて親孝行なのかなって。生きている限り続くエンドレスなプレイというか。
第二部“人生”のわからない P155
親孝行に関しては、自分が甘えるのが苦手やき、そこが課題やなって思い知る一文やった。
心配かけんようにしても親なんて心配するもんやし、それもかけれるうちにかけちょけばあとから大体笑えるし。
自分も親になって、また見えるものが変わってくるんやろうなーと思いました。
自分の人生って?
後半は恋や愛だけじゃなく人生に関しての問いかけも多かったです。
みうら “自分らしさ”っていう言葉がずいぶん前から流行ってるけど、ハッキリ言っちゃうと、そんなものはどこにもないよね(笑)
第二部“人生”のわからない P182
これは「ありのまま女性陣」は耳が痛いんじゃないかな。
男性はこういうブームを醒めた目で見ゆなっておもいよったけど、バッサリきられてます。
みうら:無駄なことに命懸けてる人って信用だけはあるよね(笑)。
中略
何に一番価値を見出すかって、人それぞれっていう考え方があったほうがいいよね。俺はたくさん選択肢がある時代のほうが楽しいとおもうんだけどなぁ。だってなんか乱交みたいでイヤらしいでしょ、全員が一つになるって(笑)
宮藤 :乱交の例えはよくわかりませんが(笑)第三部“仕事とあそび”のわからない P242
これはブログを書いたり、無意味なこと好き勢としては失笑しながらもすごく納得した部分でした笑
全体を通して、みうらさんがちょいちょい無駄に下ネタぶっこんできます。
みうら:なんかさぁ、キスって、取り留めがないでしょう?取り留めっつーか、ほら、キスにはフィニッシュってもんがないじゃない。セックスには明確にあるのに(笑)。
中略
フィニッシュがないぶん、どこまで続けたらいいかわかんなくて途中から舌を絡めてみたり、先方の歯の裏を舐め回してみたりみたり、いろいろとやるわけじゃないですか。
宮藤 :時間無制限、エンドレスですよね(笑)。
みうら:そりゃ最初のうちは興奮を得られたりもするけど、しばらくやってるうちに我に返って、自分がまるでカバに寄生して口膣掃除してる鳥みたいな気持ちになってきて、「俺、一体、なにしてんだろう?」ってなっちゃうんだよね。特別追加対談 どうして人はキスをしなくなるんだろう? P287
最後の追加対談で、ああ、男性もそう思うんやって思っておもしろかった一文です。
今回この対談エッセイ読むと、ふざけながら基本的なことを考える時間ってあるべきやなーと思いました。
意味ありそうなことばかりしても、深みって増さない。
仕事できて、稼ぐ男はくいつきはいいけど、飲みに行って話に奥がなくて仕事の話ばっかりする人は正直おもんなくてフラれる。
普通で、一回ご飯行くかなーで話がおもしろい男のほうがまたいこうかなってなるしね。
友達になる可能性もなきにしもあらずやけど笑
オトコノホンノ読ミ方
というわけで、オトコノホンノ読ミ方、つぶあんさん(つぶログ)の書評はこちら。
どうぞ、合わせてお楽しみください★
【コラボ書評】人はどうしてキスをしたくなるのだろう。宮藤官九郎とみうらじゅんが9割不真面目に答える笑える哲学書?
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