「女」とは、美しく刹那な道具である。「陽暉楼」監督:五社 英雄@キネマMにてフィルム映画で鑑賞

陽暉楼

陣痛がこないので、里帰り映画3本目になりました。

念願の82歳のおばあちゃんとレトロ映画まで叶ってしまいましたよ…39週目妊婦です。

先週、「鬼龍院花子の生涯」を見て是非土佐三部作と言われる「陽暉楼」「櫂」も観たくなり、おばあちゃんと映画館デートを決行しました。

https://sakamotodappantyu.com/archives/movie-12.html

豪快な女の

<あらすじ>
女は競ってこそ華、負けて堕ちれば泥。土佐高知、修羅の恋。ここは陽暉楼、色香匂い立つおんなの館。華麗な夜を彩る裏側では、男と女の愛憎、親と子の命の葛藤が激しく渦巻いていた…。宮尾登美子・五社英雄の名コンビによる文芸ロマン大作。1983年度の日本アカデミー賞多部門受賞。

感想:★★★★

終わったら一緒に見に行ってたおばあちゃんに「おもしろかった」を連呼してましたね。

レトロ映画の醍醐味は、自分はおじさん、おばさん俳優&女優のイメージしかなかった方の若いころに出会ってドキドキさせられること。

今回も緒形拳、池上季実子にがっちり心を奪われました。

いいキャスト。

そして裏話見たら、どちらも断られてからの配役になったとのことで、そういうミラクルも含めておもしろい。

目次

高知の男がこんなにかっこよく見えた映画はない

「鬼龍院花子の生涯」の仲代達矢さんも情けなさ含めめっちゃかっこよかったけど、極道にならない女衒のだいかつの生き方、すきやったなぁ。

群れずに自分を貫き通して自由と共に自分のことをたんたんとしていくところに、普段は見えにくい土佐の男の美学を感じた。

そして、それを最後で証明するのもいごっそうっぽくてすごくすごくよかった。

だいかつはそんなにお酒のまんけど、でもそんな行動が他の極道からみたら酔狂で気にくわんかったがやろうなぁ。

「鬼龍院花子の生涯」では、後ろ盾に謝りに行ったシーンが印象的やったけど、だいかつはお金で筋通して相手の思い通りにいかん感じもかっこよかった。

その分、女とのだらしなさとクズさがさりげなく潔癖さを消して土佐の男っぽかったけどね。

池上季実子は藤の花、浅野温子はガーベラのよう

最初、若百って地味顔なのにナンバーワンなんだと思ってたけど、見終わったら陽暉楼の女将さんと同じく「100年に1人の芸子」で頷いてました笑

どっしり構えた静寂の中にある色気と気迫。

分かりやすく華になってた珠子よりも奥深いキャラとしてすっごい好きになってしまったなぁ。

不器用さや、悲しさすら女の武器になるんやなって、改めて思い知らされました。

「鬼龍院花子の生涯」はすごくおさまりのいい映画やったけど、今回浅野温子演じる珠子がはいったことでいい意味でリズムが狂い、今見ても新鮮に感じた。

決闘っていうのも、高知の女に似あいすぎて笑う。

恩と正妻

個人的にはだいかつの正妻とされる女の強さというか、日陰モノの生き方がまたいい感じで好きやった。

派手な女が出入りして、しかもそれが商売道具な旦那を持つ生き方って苦しいろうなって。

女のキレイで派手な面だけじゃなく、ああやって寄り添ったり、男や子どもを支えるのも女の生き方なんやなって。

面白かったです!

次は産んだ後自宅で譲ってもらったDVDで櫂をゆっくり鑑賞予定!

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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