テスカトリポカ:佐藤究が2021年で多分個人的に一番ヤバかった本になる

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士、毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしているつぶあんさん(つぶログ書店)とのコラボです。

前回はつぶあんさんのチョイスで「インドラネット」を読みあいました。

※私の感想はネタバレありです。

【オンナノ本ノヨミカタ】

https://sakamotodappantyu.com/archives/indoranetto.html

【オトコノ本ノヨミカタ】

https://ytkglife.net/indrasnet-kirino-book/

今回は私のチョイスで「テスカトリポカ」です。

目次

暴力と力の吸引力がすごい!メキシコ×インドネシア×日本を股にかけた物語

<あらすじ>

鬼才・佐藤究が三年以上かけて執筆した本作は、アステカの旧暦に則り、全五十二章で構成される。
時を刻むように綴られた本作の第一部十三章を、特別公開中!

まずは第一章、メキシコの北西、シナロア州のクリアカンから幕は上がる──。
試し読みはこちらから→カドブン

選考委員大激論! 今一番ヤバいエンターテインメント!

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。

感想:★★★★★

あのね、まじでこんな小説に長い間出会いたかった。

そんな本に出合ってしまった。

好きな作家は決まってるので、普段は新書をジャケ買いとかしないんですが、これは目立つところに売っててくれて本当に良かった。

直木賞と山本周五郎賞W受賞とかで多分すごいんやろうな~読者を選びそうな攻めた装丁やな~舞台はメキシコか~ヤバそうやし見てみようかな~

そんな偶然な完全なる興味で手に取ったけど、すでに同作者の別作品を手元に置いてるくらい、一冊が濃かったし、一冊でファンになったし、最高に楽しませてもらった一冊。

もう、感想っていうか、語彙力バカって思われてもいいからやばい。っていいたい一冊。

最高でした。

旅をしたメキシコのヒリヒリした危険なにおいを思い出す

読もうとした動機がそもそも私が一番大好きな海外メキシコが舞台だったことが理由でした。

そしたら国境付近(私が行ったのはアリゾナ州から入れるノガレス)やアカプルコが出てくるじゃないですか!

現地で聞いたコヨーテの事情や砂漠を渡ろうとした人のミイラや、足の裏が砂漠で焼けた写真を見せてもらったのを思い出したり、アカプルコが私たちが行った後に結構な危険エリアになったのとかをまじかーと思いながら読めたのがリアル。この人どうやって取材したのかすごい気になるわ。

多分行ったことがあるところなおかげで情景とかが目によけいにリアルに浮かんだのもツボやった。(インドネシアも2回行ってて1回は都市部に泊ったのでイメージしやすかった)

まあ、そんな現地経験なくても圧倒的な死と暴力のにおいに引き込まれる作品。

自分の住む世界から離れすぎてるのに、ありそう…って思ってしまう。

そして引くほど読みやすい。

アステカのききなれん神様の話もはいってきたし、外人の名前覚えれん問題がこの物語ではなかった。

難しいけど、読みやすい。暴力や死はスパイスで、描写も丁寧でキャラクターの人物像が浮かぶ。

500ページを超えるのに、ずーっとドキドキできるとか神がかりすぎ。

最後は意外な終わらせ方やったけど、個人的にはコシモの続編を書いてほしい、頼む!って感じの期待感を抱いてしまう。

バルミロの復讐劇も見たかったな。

本棚に置いて5年に1回くらい読みたい作品でした。

ああ、本当に読書っていいもんですね。

ページ数多いのに、濃く、重く、しばらく興奮の冷めない本でした。

あああああー読書仲間と語りたい!!!そんな風に思うのは久しぶりです。

オトコノ本ノヨミカタ

そんなわけで、つぶあんさんの感想を読みた過ぎる一冊!

どうでした?

https://ytkglife.net/colabo-tezcatlipoca-review/

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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