自信はない、お金もない、恋人もいない、職もないアラサー女のイタすぎる人生がずしんと来るボクシング映画。これは名作。
本や映画は、めっちゃ面白いヤツとカフェで2時間がっつり話し込むことができる位の価値がありコスパが超いいと思っています、坂本です。
今回ご紹介する映画はコチラ。
「百円の恋」これは、サブカルクソ女として育ってきた私には外せない雰囲気の作品だなと思ってたので借りてきました。
うーん、最近映画館で見てないけど、こういう作品また映画館で見たいなぁ。
あらすじ
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。
ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。
心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。
ある夜、そのボクサー・狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに2人の距離は縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める―――。
感想:★★★
ダメ女が家を追い出されて、なし崩しにクズ男に引っかかって、ボクシングを始めてみる映画です。
出てくる人、多いんですが、みんな記憶に残る濃さ。しかも、いい感じにかみ合う濃さ。
監督、役者さん、超スゴイなぁ。
ウザいおっさんとか、うざいおっさんを集約して、全てがウザいおっさんとして完璧すぎて感動した。
いやー、私にとって何が痛かったって、「ああ、こういうクズ男好きやったなぁ」…と久しぶりに自分のセンサーが動いたことです。
向こうのペースで強引に、こっちに有無を言わさず、自分が上の立場でいる、何も持ってないクズ男。
ハマりがちでした。
新井浩文はまり役。
なんででしょうね。
安藤サクラいい。最近は鈴木亮平のストイックさにぐっときてましたが、本作の安藤サクラもめちゃめちゃよかった。
みんな何かを我慢しながら、どうしようもなく薄い、でもないよりはあたたかい繋がりの中、いつ千切れてもおかしくない世の中を生きている。
実は人一人が持てる世界なんて、すっごい小さい。
その世界がぶつかり合って、たまに混ざり合って、でも決して一つになることなく、近づいたり離れたりしながら生きていきゆう。
変えることなんて、実は簡単やけど、大人になって自分で変わりに行く人は少ない。
今以下に落ちない様に選んでいる道が、下り坂なんて誰も思わない。
それに気づいたとき、自分の世界以外を見た時、視界は変わり、「変わり」たくなる。
そして、意外と人は変われる。
それが雑誌やテレビでやっているようなサクセスストーリーではないかもしれないけど、変われる。
一生懸命やって、報われんことの方が多いけど、何もしてなかった時の自分とは違う。
悔しさも、辛さも、憎しみも、全部混ざって、イタイイタイ。
良い映画でした。
停滞しながら、本当は少しでも進みたい、何かを見つけたい、変わりたいとひそかに思ってる人におススメです。
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