「見せ所」がはっきりしてる映画を毛嫌いして生きてきました、ひねくれモノのさかもとです。
とはいいつつも、同居人海さんの影響でバッドマンとか、レッドとかも近年は見てます。
最近見たのがコレ⇒「はなればなれに」
じんわり感触が残るミニシアター
パン職人を目指していたが、勤め先のパン屋を解雇されたクロ(城戸愛莉)。結婚を意識していた恋人と、喧嘩別れをしたカメラマンの英斗(斉藤悠)。主演女優が降板し、舞台の上演が危ぶまれる演出家の豪(中泉英雄)。それぞれ別の人生の目的を持った接点のない3人が、ひょんなことから出会い、東京を飛び出す。行き場をなくした3人は、海辺の閉鎖された旅館で共同生活を始める……。オカシな3人のおかしな三角関係。
台詞は最小限に、BGMは生演奏とラジオのみ、可能な限りワンシーンワンカットで撮影するというコンセプトを通して3人の心情の距離感をシンプルに、そしてコミカルに描いた大人の青春群像劇。 小津安二郎作品の研究をしてきた下手大輔監督の長編デビュー作。
ミニシアターっぽいなぁ…最近こういうの見てなかったのもあるけど、女優、俳優さん共に知らない役者さんばかり。
ゆーったり、少しおしゃれなシーンが展開されていきます。
本作を見て気づいたのが、「あ、自分は最近ケータイばっか手に取ってるなぁ」ということ。
つぶれた旅館でゆるゆる過ごす3人を見ていて、「こんなん、普通無理やん」と思う自分がいて、
ここ数年で、こんなにも見えてない何かに支配される大人に私もなったんだなぁとおもってしまいました。
3人の生活の始まりはこの手の映画にありがちな「ひょんなところから」という意味不明な展開から始まりますが、そのリズム感や雰囲気に慣れてくると、だんだん心地よくなってくるのも不思議です。
誰かの人生と、自分の人生は、一緒にならないけど、本の少し重なり合ったり、すれ違ったり、絡まり合ったりする。
そういうことを思いました。
こういう映画のいいところは、一言で感想が言えないこと。
じんわりと人生にしみてくること。
でもテンポはゆっくりやし、そのシーンそのシーンに意味があるというかというと、かっこよさとか、間のためにあったりするから、解りやすい面白い映画が好きな人が退屈するのもよく判る。
個人的には、解りやすい映画よりも、日の当たらないどうでもいい自分の人生のワンシーンと近いので、ためになるとおもってて好きです。
休日はなにもしないでいい、なにかから離れたい、何も求めない、ゆるっとした人生もありだなぁと思っているような人におススメの映画です。
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