【転職】「サービス業って霞を食ってるみたいなもんですから」37歳で大手カラオケ店店長が漁師になった

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「大変だった時に、自分が採ってきたものを食う。前よりよっぽど人間らしい生活をしていると思います」 

金沢から車で約1時間半、黒く、飲みこまれそうな日本海の上、一直線に眩しい光がいくつも並んでいる西海港。港から歩いて3分程、漁師の道具が玄関前にいずらっと並ぶ二階建の寮に大関さんは住んでいる。 

去年までカラオケ店の店長をしていた新潟出身の彼が、縁もゆかりもない石川の漁師になった。
彼の今の心境、仕事の話を飲みながら聞いてみた。 

 
大関さん(PHOT BY SACHI)

どうして漁師という職業を選んだんですか?

最初は、旅行会社とか、住宅の営業とか考えてたんだけど、イメージしていくと自分の限界が見える気がしたんですよね。工場も紹介されたんだけど、ずっと接客してた俺には向かなさそうだなと。そんな時、一次産業に関わるのも悪くないなーと思っていたら、大家さんに漁師さん紹介してもらえて、その募集は終わってたんだけど、そこから他の船紹介してやるって言われて受けに行ったらすぐ決まりました。

漁師になったのは、消去法と、縁だったわけですね。

サービス業から漁師への転職、戻りたくなったりしませんか。

サービス業って、霞を食ってるようなもんなんですよ。20年サービス業してきましたがホテルみたいな接客しても、出しているのは300円の丼ぶりみたいな 。自分の努力も確かに帰ってくる部分もあるんですけど、だからって目に見えてそれが評価されることなんてごくごくまれ。今の仕事は分かりやすくていい。いっぱい捕れればそれでいいんですよ。漁師って、取れ高原理主義だから 。そう思うと目に見えて手ごたえがある今の仕事のほうがやりがいを感じます。


漁師って、休みはあるんですか。

意外と思われるかもしれないけど、漁師ってすごくON、OFFがはっきりしてる んですよ。働く時働いて、休む時休む。実際今日も朝の5時に出て、帰ってきたのが夕方の4時とかだからハードな仕事ではあります。でも海に出ないときは網の修理したり、市場に出て午前中の4時間で終わる時もある。海の時化(シケ)によるから休みは不定期ですが、 長期休暇は正月とお盆 。冬は忙しい時期ではあるんですが、組合で出ないって決まってるんですよ。正直、サービス業は絶対休めなかった時期にゆっくり休めてるのがいいですね

(余談ですが、先日お話を聞いた漁師さんは休みが不定期なのがイヤで、西海港から能登の方に来て職場を変えてました。そこだと日曜休みと決まっているそうなので、条件は漁場、属する組合によるようです)

稼げますか?

漁師って最低保障が決まってて、今は見習いが終わったばかりなので、25万円です。だんだんランクアップしていって機関長位になったりすると結構稼げたり、ランクによって自分の船で漁に出られるようになるんです。保険は雇用保険以外はかけてもらえて、組合が税理士に頼んでいるので手続きは全部そこでやってくれます。うちの寮は敷金礼金10万で、分割払いもOK、6畳で2.2万では入れました。飯は親方がいろんなところ連れてってくれるし、自分で採ってきたものも食べられるから食費は驚異的に浮きますね。

大変なことは?

沖に行ったらその場その場で間違いなく、すばやく一つ一つのことをやらないといけないこと。今は4人で乗ってるけど、ロープの結び方が違っても、1人のミスがみんなに響く。すべての作業が遅れることになるからそこはシビアだね。小型、中型の船は結構足場も揺れるけど、チームプレーだからちゃんとしなきゃいけない。最初はロープの結び方がいくつもあって覚えられないと思ったり、揺れる船に慣れないといけないのは大変でしたね。

因みに漁師になりたい場合はたまに港がある町の船の個人名で出ている求人を探し当てること、港の組合に問い合わせてみることが可能だが、一番多いのが紹介(縁故)、だそうです。

今後は自分たちで採ったエビをいかにブランディングしていくかが課題。というのもここは近いところに輪島、氷見などブランド化された港が多い激戦区だからだそう。
将来を見据えて投資して「もりもり寿司」のウエノフーズサービスと地元西海港の組合で作った港にある寿司屋、「 西海丸 」もその一つ。漁業は採ったら採った分だけど、時化る時や不漁の時もあるので、そういうリスクを見据えて新しい展開をしている。

大関さん、ありがとうございました!!また飲みましょう!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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