>明治末期から昭和初期の詩人に恋した少女もしくは酔った青年必見。
それ以外の人はおそらく意味不明な文豪たちの行きかう架空の町の話。
詩人はべたに中原中也がイケメンだし好きです。
今日は一風変わってて万人受けはしないけど、すごく好きになった漫画を紹介します。
詩の世界は、人を救うか、人を壊すか
<あらすじ>
□(シカク:詩歌句)街。そこは近代日本ぽくも幻想の、詩人たちが住まう架空の街。そこには萩原朔太郎、北原白秋、三好達治、室生犀星、高村光太郎らの作品からイメージされたキャラクターたちが、創作者としての業と人間としての幸せに人生を引き裂かれながら詩作に邁進する。実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎や北原白秋らの作品から受けた印象をキャラクターとして創作された、詩人たちと近代日本の業と罪と狂気の物語。(Amazonより)
感想:★★★★★
メインキャストは、萩原朔太郎、北原白秋、室生犀星。
詩人の世界ということで、太宰とか芥川ではなくいい感じに渋いメンツ。
支離滅裂で道という道のない物語が展開されます。
メインキャストファンは絶対買ってしまいますね。
そうでない私も買い集めています。
膨大な資料をもとに、一部引用を交えた妄想全開の世界観の一線を越えたと評される詩人漫画。
一方的な文豪リスペクト系漫画はそんなに好きではないのですが、これはもぐっていけるような感触を感じる珍しい漫画で、ここで出会う詩人に更に興味が湧きました。
掘り方が独特で、ちょっとぶっとんでるけど本当に新しい作品だと感じる。
漫画はいつもさくっと早く読む派ですが、これはじっくりと詩集を読むような速度で読んでました。
詩なので、小難しすぎないのもありがたい。
「近代詩人まとめ詩集」みたいな感じでめっちゃお得です笑
こういう漫画を読んでいて思うのは、男の人は繊細で不器用だなということ。
そういう人が悩みに悩んで、考えに考え、ぱっと花が咲くように一つの詩が生まれる。
女からしたらどうでもいいようなことで悩んでいる男の人がいるのは昔から変わらないんだなと思います。
思考の迷路に迷い込み、自分を軽蔑したり、落ち込んだり、人生を投げ出したくなったり狂ってみたり…
女性の方が文章は美しくても、しなやかに生きるたくましさを感じることが多い気がします。
のちに与謝野晶子が出てくるけど、まさしくそうやったなぁ。
高村光太郎と嫁の智恵子も出てくるがやけど、詩だけでは考えたことのない世界が見えてもう一度読んでみたくなった。
詩は、広がりがある。
そういうロマンがあるから近代詩歌は本当に沼のようにどっぷりと、一回入るとなかなか抜けれなさそうで怖い雰囲気を持っているのかもしれません。
狂気を感じる程美しい言葉が、一気に私の手を引っ張ってうっとりさせてくれる。
詩って、いいなぁ。
最新刊も、室生犀星がたっぷり出てるのでゆっくり読みたい…!
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