旅館で働きだしてから、むくみがとれず、定価三万のマッサージ機を購入し、貯金が相変わらず0円、さかもとです。
昨日は、私の働いている旅館で某超有名演歌歌手のミニライブ&トークショーがあり、普段より遅くまで任務がありました。
聞けば、会長の友人だそうで、
「今度旅館で歌ってやるよ!」と言っていたのを実現させてくれ、しかも毎年同じ時期に来て歌ってくれているそう。
粋な人だなぁ。
歌も、CDのまんまで、館内にずん、と響いて気持ちよかったです。
ご宿泊のお客様に加え、ライブとお食事だけのお客様もいらっしゃったので、普段よりも人も量も多く、みなさんフル稼働!
本当、旅館は何でも屋だなぁ…と思いながらも、
私のミッション、「旅館で実際現実的にできるプランを作る」ために、自分が普段のお昼勤務では見えない接待さんのお仕事を見るチャンス!
とばかりに少しだけですがお手伝いしてきました。
が、やっぱ、着物姿で走り回る接待さんすげぇ
旅館の接待さんは、お部屋案内や、お料理の紹介や配膳、お見送りまでしてくれる旅館の価値をあげるエキスパート集団なんです。
というわけで今日は接待さんのことをご紹介します。
あ、ちなみに仲居さんのことを業界用語で「接待さん」というそうです。
接待さんの勤務形態、「NAKANUKE」とは?
私が来るころには一仕事終えて一度帰って、私が帰る位にフル稼働している接待さん…
最初は勤務形態が解りませんでした。
聞いてみると、接待さんはお客様のイレギュラーな要望がない場合、朝は6時に出勤して、朝ご飯の準備と接待をします。
チェックアウトのお見送りが終わるまでに、片づけや忘れ物チェックをして、うちの場合は10時まで、特別室は11時までにお客様が出られるのでお見送りをして朝は終わりです。
そこから送ってもらって帰宅したり、自分で帰ったりしています。
接待さん「今日、どんたく(能登のローカルスーパー)寄って帰ろう」
女将「え?その格好のままで行くの?!周りの人、びっくりするよね(そのままいかないよね?)笑~」
なんて会話が聞こえてきたりして楽しいです。
なので、接待さんは大体午前中に一度帰り、午後2時、もしくは3時のチェックインの案内の仕事でまた出てきます。
夜は大体、6時位~の食事の配膳や接客が終わり、片づけて夜10時頃に帰っているそう。
お客様にもよります。
いやーマジで、大ハードですよ。
接待さんの名前は、ほとんどが源氏名。
正直、これは最近知りました。
もう、すっかりその名前で憶えて定着していて、仲良くなってきたのに…本名を知らない関係…
いやー面白いなぁ、旅館勤務!
接待さん「私、ホントはかおるって名前がよかったのに…」
事務所の先輩「かおるって名前の時、いいことあったんかなぁ…」
とかそういう会話がされていて、特殊な世界なんやなぁと、実感します。
「OKOKORODUKE」お心づけという制度がある。
私、旅館で働く前、数回しか旅館に行ったことなかったので、システムも、何をしてもらえるかも全然知りませんでした。
お部屋案内後、お茶出しをしていて、「お心づけ」を渡されてビックリ。
まるで、海外のチップやないかい。
ここでお心づけの情報を一部紹介。
「心づけ」は、仲居さんなどへお世話になるお礼の気持ちとして渡すものです。
「気持ち」ですから、渡さなければいけないなどという決まりはないのです。ただし、”わがまま”をお願いする場合には渡した方がいいこともあります。
こんなのが一例です。
●一旦客室に入ったのに部屋が気に入らないという理由で、同料金でグレードの高い部屋にしてもらった場合です。
●宴会で飲み物を持ち込みするのに持込料をサービスしてくれた場合です。
客室への持込は大目に見てくれる場合が多いですが、基本的に宴会場への持込は絶対にやってはいけない行為です。●怪我をするなどして歩くのが困難で、移動するたびに仲居さんの力を借りないといけないような場合。
●子供が障子紙を破いたり、おねしょをしたりして寝具等を汚した場合。
一般的には仲居さんに無理なお願いをする前、部屋まで案内してもらいお茶を入れてもらう際に渡し、「実はお願いがあります」と切り出します。
小さな旅館で、ご主人や女将に無理なお願いをする場合、到着の際、「色々と無理をお願いしますがよろしくお願いします」と切り出して渡します。心づけの相場ですが、人数、宿泊料金、お願いをする内容によって異なりますが、1・2・3・5の切れのよい金額で10,000円以上渡すケースは稀です。
2,000円、3,000円、5,000円程度が一般的ですが、3,000円という場合が多いようです。
温泉ソムリエが教える!幸せになる入浴方法より一部抜粋
実は、西日本の場合は「後渡し」、東日本は「先渡し」なのだそう。
西日本では(特に北陸では顕著ですが)、接待さんの勤務時間は、お客様に(チェックインからアウトまで柔軟に勤務時間を変更する)完全密着型。
それに対し東日本では、日々勤務時間は固定され、客が来ようが勤務時間にならないと出勤しない自社都合型が主流なのでそうなったそうです。
調べてみるとおもしろい。
けれど、最近は「お心づけ」を渡す人の方が少ないらしいです。
旅館の寮など地方から来て住み込みで働いている、独身の接待さんも多い。
これは友人のママが接待さんで、接待さんトークをしているときにも聞いたし、うちの旅館でもききます。
あと、その旅館によってはある地方の人が多くいる旅館もあるそう。
うちの旅館でも、一人愛媛出身の接待さんがいて、四国トークをしたり、
接待さん「私がバスガイドやってた時…」
と話をしてくれたりするので、本当に経歴も、どんな人生なのかも謎過ぎてそそられます。
おもしろそうなので、最近、接待さんや、旅館文化のことも調べてます。
彼女達からしたら私なんか、本気で小娘なんだろうなぁ…
トークが巧みすぎて面白すぎていつもメロメロ。
さかもと「着物に紅、いつもキリッと似合ってて素敵ですね!」
接待さん「ホント?さかもっちゃん、チューしよ!チュー!」
さかもと「爆笑」
とか、
割とテンパってくると、さらっと「ラッスンゴレライ!」って言い出す接待さんとか、
さかもと「女性のみのご家族でご旅行ですか?素敵ですね~!」(母、娘世代のご旅行)
接待さん「違うわよ、ご姉妹よね~」
お客さん「あら💛」(まんざらでもない感じで)
と素敵な冗談でお客様を喜ばせたり、
お子様と館内で手を振ったり、手を繋いだりしているとさらっと、
接待さん「あら、若い子の手はすぐつなぐのね!」
とか面白く柔らかく言って場を楽しくさせる技が凄いんです。
もうね、何枚も上手過ぎて、付き合えば付き合う程、好きになっていく。
実際、接待さん指名のリピーターさんや、アンケートでも一番多く書かれるのは接待さんのことなんです(うちには神と呼ばれるお客様を満足させまくる男性のスーパー接待さんもいる)
後、カシラ(接待さんのまとめ役)の着信音が必殺仕事人っていうのもぐっときました。
仲良くなるたびに、謎が増えてくる魅惑の女性集団、接待さんたち。
うーん、魅力ありすぎて書ききれないので、今日はここまで!
みなさんも旅館に泊まることがあれば、接待さんとのコミュニケーションを楽しんでください!
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