「最悪だ」「不幸だ」「なんでうちだけ」「なんでよ」「これ、いつまで続くの?」不幸は不幸を呼び、増殖していく。
弟が、中学中退と普通の人はなかなかできないファインプレーをしたがために、
一時期家庭が面白い位荒れてました、坂本家です。
そんな有名人な弟もでき婚で親になり、まさかの病院で働いてます。
「俺、そこらへんで人が倒れちょったら、自信あるで」
ちったあマシになったように見えますが、私は弟には助けられたくないと思ってます。
今日おススメするのは、「俺はまだ本気出してないだけ」の作者、青野春秋氏の漫画。
うーん、食べ物に例えると…
【家族が握った不細工な形の塩むすび】
昭和の終わり――貧しくもたくましく生きる、春人・9歳と秋介・15歳兄弟の、笑えて切なくて危険な!?、ヒリヒリする日々!!
小学館コミックHPより
これを読んでいると、色々と思い出します。
ガンで入院したおじいちゃんに、成績が悪すぎて死の間際まで、進学できるか心配されたこと。
(因みに地元で2番目の進学校はエスカレーター式。どれだけビリを突っ走っていたかが解る)
ガキ大将で、弟や周りの幼馴染に理不尽な要求をしまくっていた過去。
(「笛を吹いたら集合の合図ね!」とか言ってました。修行と言いながら、ドラム缶の中に入って転がることも)
弟が、一度嫌がったことでも、絶対言うことを聞かせていたこと。
(数年前まで、朝方3時くらいの飲み会の迎えなどを要求。片道一時間)
お歳暮、お菓子はいつも戦い。目を離すと食べられて、喧嘩。
(弟2は、マーガリンまで舐めてました)
何度も、何度も、「うちは最低や」、「うちが一番不幸や」と思ってました。
きっと家族みんながそう思っていた時期がある。
ウンザリすることの連鎖で、顔を合わすと気に食わなくて言い合いばかりしてしまう。
この漫画を読んでいると、そんな嵐のような家族の怒りを、いつも黙ってきいていた弟のことを思い出しました。
ヒステリックに泣くお母さん、町内を自転車で逃げる弟、ドスのきいた声で責めつづける私。
振り返ると、家族は仲良かったけど、近いとどうしてもぶつからざるを得ない時期があった気がします。
当時は「うちの家族はいつも底だなぁ」と思ってました。
それがうちだけじゃなく、他の家族もそうだったり、仲の悪い兄弟がいることなんかも、実家を離れて、
色々な人に会って知りました。
自分の世界は小さくて、そのなかで窒息しそうに毎日必死で生きていたのを、この漫画を読むと思い出します。
う~ん、ヒリヒリする。
ちょっとハードな家族漫画が読みたい人、自分の家は不幸やったと思っている人におススメです。
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