お金は手段か目的か、それとも全てか「億男」川村元気

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士毎月順番に一冊本を決めて一緒に読んで感想をシェアしています。

前回はつぶあんさん(つぶログ)のチョイスで不思議なエッセイを読みあいました。

【オンナノヨミカタ】

https://sakamotodappantyu.com/archives/book-30.html

【オトコノヨミカタ】

https://ytkglife.net/collabo-book-review-japanese-girl/

今回は私のチョイスで映画にもなった話題作、「億男」です。

映画も見たいな~

目次

お金と幸せの答え合わせ?お金に振り回されながら読んだ一冊

<あらすじ>
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。

感想:★★

小説として読み始めたけど、お金と落語のベースが大きく物語を支配していてそっちにひっぱられるから物語にはあまり集中できなかった。

お金、落語、幸せのパーツパーツがキレイに組み合わされたそれこそ落語みたいに作られた作品としては「オモシロイ」と思う。

何より、お金に関して考えることになるので読んで損はない。

私たちはお金に関して知らなすぎる

雑誌で連載していた時に、ここを読んでずっと気になっていた、億男。

正直、ここに一番打ちのめされました。

「君は、お、お金が好きかい?」
「もちろん好きさ。嫌いな人なんていないだろう」
「お金持ちになりたかった?」
「なりたくなかったと言ったら、嘘になる」
「じゃあ聞くけど。君は一万円札の大きさを知っているかい?」
思いがけない質問に一男は戸惑った。この噺がどこに行き着くのか想像できなかった。頭の中で福沢諭吉が縦になったり横になったりした。しばらく考え続けたが、見当もつかなかった。
「ごめん。九十九、分からないよ」
「縦76ミリ、横160ミリさ。重さは何グラムか知っているかい?」
「…分からない」
「1グラム。ちなみに1円玉も1グラム。一万円札と一円玉は同じ重さってことだ」
九十九の口調がどんどん明瞭になり、早口になっていく。絡まった糸がほどけるように。あのときの「寿限無」のように。
ちなみに五千円札は縦76ミリで横156ミリ。千円札は縦76ミリで横150ミリ。五百円玉は7グラムで、百円玉は4·8グラム、五十円4グラム十円4.5グラム、そして五円は3 . 75グラム」
「すごいな……九十九」
「どれも調べればすぐ分かることだよ。調べなくても、定規をもってサイズを測り、秤をもって重さを量ることなど五分もあれば済むことだ。
一男くん。そこで君に言わなくてはならないことがある。つまるところ、君はお金が好きじゃないんだ。だって自分の体重や今日の夕飯は気にしているのに、毎日触れているお金の大きさや重さを測ろうともしていない。本当に興味があれば、お金のすべてを知ろうとするはずなんだ。どんな色で印刷されていて、何が描かれているか仔細に見るはずだ。だけど君は今までそんなものを見たことがないだろうし、知ろうともしてこなかった。つまり、君はお金に興味がないんだ」

九十九の金 P59

お金のこと、なんにも知らないなって。

そういう意味では、お金に触るすべての人が読んだらいいと思う。

読んだらお金と幸せのことが分かるのか

いや~正直、わからなかったですね。

なんか別居中の嫁さんのテンションが小説にありがちな正しい神聖な女性感があってそこもしっくりこなかった。

やっぱり宝くじに当たって3億円あったら、ある程度揺れるでしょ。

口つっこみたくなるでしょ。

やり直せるかって思うでしょ。

夫婦で見てたものが違うっていうのはわかるし、お金がすべてではないのには大賛成やけどさ、不自然にお金に触れなさすぎるのも私にとってリアルじゃなかったな~笑

私があさましいだけなのかな笑

それとも夫婦関係に溝ができたらお金なんかじゃ揺るがんくらい遠くなるんかな。

お金で戻る部分もあるよねって思いが消せませんでした。

お金で離れた関係でもあるし。

オトコノホンノ読ミ方

ちょっとロマンがない書評になりましたが、つぶあんさんはどう読んだのかな笑

オトコノホンノ読ミ方、つぶあんさん(つぶログ)の書評はこちらからどうぞ!

https://ytkglife.net/billion-man-story-book-review/

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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。 転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。 家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。 2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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この記事を書いた人

1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。

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