寒さが増すと、生気が逃げる。
気を抜くと、身体のどこかがどこかが冷えていて、うっかり風邪をひきそうになる。
雪は音を消し、色を消し、気力も消す。
狭い家の中で、永遠にループするトーマス。
動き、食べ、出し、訴えてくる小さい息子。
彼にふりまわされているおかげか、落ちこむことは減った。
それでもやはり冬は、小さな穴にぎゅっぎゅと押し込まれるような窮屈さを感じる。
考えが途中で止まる。
集中力がすぐに切れる。
甘いものやあたたかいものが欲しくなる。
息子との昼寝は至福。
ふわふわの雪が歩くとぎゅっとおしかためられて足跡になる。
轍がタイヤを支配する。
朝夕の凍った道は、想像以上によく滑る。
白い。白い。
そこで頭は止まる。
太陽は出てこない。
寒さがぜんぶ持っていく。
なんにもしたくない。
なんにもできない。
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1986年高知生まれの五黄の寅年、3児の母。
転勤族の妻でうっかり新潟で家を買って辞令を震えながら待つ身。
家買ったら転勤のジンクスに負け、両親、義両親に続き旦那が本州から離脱。
2023年4月から「絶対に倒れてはいけない3人ワンオペママ」ライフがスタート。鼻血。
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