言えないことも抱えながら平穏な日々を願い共存する夫婦「ふたりぐらし」桜木紫乃

月に一冊、同じ本を読んでオトコとオンナでどう読み方が違うかを楽しむ書評コラボ。

本好き同士毎月一冊本を決めて読んでいます。

前回は私のチョイスで島本理生を。

【オンナノヨミカタ】

空いた穴を埋めるのは男?トラウマの克服?親子関係?「夏の裁断」島本理生

【オトコノヨミカタ】

【コラボ書評】正しくも完璧ではない自分のままで『夏の裁断』【島本理生】

今回も自分ではきっと手に取らなかっただろうチョイスをつぶあんさんがしてくれました。

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夫婦って完全体ではなく、取り繕う人間同士が寄り添う様なのかもしれない

<あらすじ>
元映写技師の夫、信好。母親との確執を解消できないままの妻、紗弓。一緒にくらすと決めたあの日から、少しずつ幸せに近づいていく。そう信じながら、ふたりは夫婦になった。ささやかな喜びも、小さな嘘も、嫉妬も、沈黙も、疑心も、愛も、死も。ふたりにはすべて、必要なことだった―。イッキ読み、厳禁!1日1編で10日間。ふたりが、夫婦が、「幸福論」へと辿りつく姿を、じっくりご堪能ください。

夫婦になること。夫婦であること。ひとりでも楽しく生きていけるのに、なぜ、ふたりで? その答えが、ここに輝く。夢を追いつづけている元映写技師の男。母親との確執を解消できないままの看護師。一緒にくらすと決めたあの日から、少しずつ幸せに近づいていく。そう信じながら、ふたりは夫婦になった。貧乏なんて、気にしない、と言えれば――。桜木史上〈最幸〉傑作。この幸福のかたちにふれたとき、涙を流すことすらあなたは忘れるだろう。

感想:★★★★

帯に一気読み厳禁とかかれていたので、美味しいチョコレートを毎日1つぶづつ味わうように読んでいきました。

義両親との付き合い方とかがリアルで、全てを正論で言いくるめるのが正しいわけじゃないっていうのがいい感じに伝わってくる一冊でした。

私は恋愛小説はたくさん読んで、恋愛もそこそこしてきて結構わかってるつもりになってるけど、夫婦に関しては奥行きがありすぎて、自分も当事者で、しかも数を「こなすわけにはいかないので、こうやって小説で勉強していくのもいいな~と思える読書になりました。

夫婦という贅沢な時間

身もふたもないですが、甘そうでいいな~と思う気持ちが湧いてきました。

私も今は夫婦だけど、子どもがいることで、二人きりの夫婦を楽しむ余地はなかなかありません。

しかも、妊娠出産で得られる新体験はあれど、それもたのしいけど、この小説のように二人の空気感と二人を楽しむ贅沢っていつの間にか遠くにいってしまったな~というのを感じました。

まあ、結婚するまで長かったし、同棲もしてたので、楽しい時期はすごしてきたんですけど…

華奢な体にゆったりとしたフリースのパジャマを着ている妻は、どこか幼さを残しつつ艶もある。眠る前はいつも、この体をどうしたものかと考える。愛情表現の選択が少ない貧困な性を恨めしく思いながらも、触れることでしか報われない関係が夫婦かもしれぬと悲観的になる。
実際、疲れてなどいないのだ。時間も欲望も余るほどある。けれど、どちらも過剰なことを悟られてはいけない。有り余る暇によって欲望を募らせている男だと思われたなら、情けなさで消えたくなる。

映画のひと P58.59

二人だけの、人の目を気にせず溶け込んでいく暮らし、それが夫婦だよな~と思うと、小なし夫婦の贅沢さをちょっとうらやましく思いました。

こういう形はこういう形でやっぱり幸せやと思う。

夫婦のモノ言わぬ部分

私は結構ずばずば言ってしまうし、その方がすっきりすると思うけど、そればかりが正義じゃないし、それが最善でもないな~と改めて考えさせられました。

それも関係性の問題だとは思うんですけど…

岡田がひきあいにパトリス・ルコントの『髪結いの亭主』を出した。
―人間ってのは、幸福なだけじゃ生きてはいけない欲深いものなんだ。
自分もここから先は一ミリでも「髪結いの亭主」を脱出しなければならないのだ。
―ひとつお願いがあるの。愛しているふりだけはしないで。
義父の話を聞いた後では、記憶の中にある台詞の響きも変わった。このままでは女房が去ってしまうよ、と誰かに耳打ちされてるようでもあった。理由は怖くて考えられない。

ひみつ P142

男は胸に秘めて隠す言葉が多いからこそ、それを汲んだり、見て見ぬふりをする力が妻として必要なスキルなのかなとも思いました。

私、それないな~笑

子どもが巣立ってからでも夫婦なんやろうけど、若いうちの夫婦の関係性って上品なお菓子みたいに甘いよな~きっと。

そして、年を重ねて娯楽と思える関係性もいいよな~。

夫婦って、難しいけど、きっと楽しみ方や距離の取り方は色々あるんやろうなって思えました。

ん、楽しく過ごすぞ!!!!

オトコノホンノ読ミ方

夫婦の小説、男性のつぶあんさんの書評はどんなかんじなのでしょうか。

オトコノホンノ読ミ方、つぶあんさん(つぶログ)の書評はこちらからどうぞ!

【コラボ書評】どうやって夫婦になるのだろう?『ふたりぐらし』【桜木紫乃】

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