キネマMで宮尾登美子原作、五社英雄監督の映画、「鬼龍院花子の生涯」、「陽暉楼」と見て、土佐三部作と言われる「櫂」も観たくなりました。
が、キネマMで見たのもフィルム映画と、なかなか昔の作品だし、見つからないかも。
と思っていたんですが、高知の映画&漫画の趣味仲間(で人生の先輩)なおじさまからDVDをいただき、鑑賞できました。
仲代達矢、緒形拳の演じる高知の男にしびれて挑む3作目。
同じような時代背景と設定ですが、今回は華やかな女性ではなく、妻にスポットを当てた1本でした。
ネタバレ有です!
我慢するのがえいがやろうか
<あらすじ>
大ヒット作「鬼龍院花子の生涯」「陽暉楼」に続き、宮尾登美子と五社英雄の名コンビで描く文芸感動巨編。 宮尾・五社三部作の完結編となる本作は、大正初期から昭和10年代までの高知を舞台に、女衒の一家とそれに関わる様々な人間を描きながら、ヒロイン喜和の女として妻としての愛と悲しみの30年を浮き彫りにする。出演の緒形拳、十朱幸代のほか、そうそうたる顔ぶれのキャストがそろう。
感想:★★★
意地を通して、夫のもとに帰らなかった最後の喜和の表情が頭から離れなくなる。
苦しさ、悔しさ、軽蔑、理不尽さ……。
妻という揺るぎない地位を持っているからこそ、我慢しなければいけなかった時代。
イクメンや男女平等という言葉が普通になりつつある今見ると、信じられない価値観の時代があったんやなぁと思います。
一言でいうと旦那クソ映画
「愛と悲しみの30年を浮き彫りにする」とあらすじには書いてますが、ネタバレしちゃうと、
出張先で旦那が少女拾ってきていきなり育てろと言われ、仕事先で浮気して、許して、妾とは別れるしできた子ども育てろ、それができる妻じゃといわれ、
子ども頑張って育ててたら更に若い女職場にひっぱってきて浮気。
妻になついた妾の子が妻と一緒にでていくと、やっきになってキレて、妻に手をあげようとするも自分と妾の子に刺されて夫ブチギレ。
最終的に夫婦は…みたいな話的にはクソ映画でした。
今までも妾や愛人は基本的に出てましたが、妻がフォーカスされなかったし、男気の方が全面的に出てたので、かっこ悪いシーンも、殴り込みのシーンもまとめてみるとええ漢やん~って見れたんですけどね。
妻の前やと男はかっこつかんものながかなーと思わせられる1本でした。
個人的には男性俳優を変えてほしかった
陽暉楼での緒形拳がかっこよすぎた。
殴り込みのシーンとかしびれたし、ホント惚れ直した。
その分、今回の旦那役が妻目線だからかだらしなさが出ててちょっと残念やった……。
銃撃戦とかはやっぱかっこよかったけど、結局そのとき殺された付き人の嫁さんたらしこむとかね、あんた鬼かよと笑
ほんと、主演が浮き彫りになる分、イメージを変える意味でも俳優変えてもよかったんじゃないかなと思う。
妻は耐え忍ぶものか
「時代」と一言でおわらせたらそれまでやけど、こういう価値観の鱗片はまだまだ残ってると思う。
夫が外で働いて稼いで来るシステム上、仕方ない部分もある。
でもね、子ども二人おるのに、追加でフラらっと子ども拾ってきたり、妾の子引き取るとか狂っちゅうよね笑
妻につけこんでなんでも許してもらおうとして、経済力を振りかざすのは卑怯やわ。
そういう意味でもかっこわるかったがよね。
金払いはいい、よく稼ぐ、まではいい。
嫁の実家に金チラつかせて説得させるとかクソダサい。
好きにやってリリースしたれやって。
押し付けたり、許してもらうばかりが愛じゃないよ。
夫婦のバランスって思いやる気持ちがあってやっと成り立つ。
まあ、こんな男が多かったき、高知の女は自立した女が多かったがやろうね笑
高知の女は強いきね、今はすっと捨てられるで。
【土佐三部作その他の作品レビュー】
https://sakamotodappantyu.com/archives/movie-12.html
https://sakamotodappantyu.com/archives/movie-13.html
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